ホーム > 福祉国家の日韓比較
福祉国家の日韓比較
本体2,800円+税
ISBN 9784750343020
判型・ページ数 A5・200ページ
出版年月日 2016/02/10

福祉国家の日韓比較

「後発国」における雇用保障・社会保障

日本と韓国の比較福祉国家研究において、福祉国家の「先発国」たる西欧諸国に対する「後発国」たる日韓両国における時間的なタイムラグに注目し、その歴史的経路や因果構造を明らかにするとともに、福祉国家の多国家間比較分析への新しい視座を提示する。

 はじめに

序章 比較福祉国家研究のなかの日本と韓国
 1 福祉レジーム論は「希望のメッセージ」であったのか
 2 後発国としての日韓
 3 後発国の多様性を探る

1章 福祉国家研究の2つの潮流
 1 「縦」の歴史比較と「横」の国際比較
 2 〈経済学系〉福祉国家研究と〈社会学系〉福祉国家研究
 (1)日本における福祉国家研究
 (2)段階論的アプローチ
 (3)類型論的アプローチ
 3 東アジア福祉国家研究の展開のなかで

2章 日韓比較分析の新しい視点
 1 東アジア福祉国家研究の興隆
 2 時間軸の比較視点から福祉国家を分析する
 (1)求められる「時間差」を捉える視点
 (2)「時間」をみるか「差」をみるか
 (3)段階論的アプローチと類型論的アプローチの結合の試み
 3 日韓比較分析のために
 (1)雇用保障と社会保障からなる福祉国家
 (2)後発国の多様性へ

3章 時間軸の比較視点でみた日本の福祉国家
 1 日本における福祉国家の成立
 2 雇用保障と社会保障の特徴とその要因
 (1)「全部就業政策」を基軸にする雇用保障
 (2)「混合型社会保険」を基軸にする社会保障
 (3)後発資本主義国としての日本
 3 成立後の展開

4章 日本との比較でみた韓国の福祉国家
 1 韓国における福祉国家の成立
 2 雇用保障と社会保障の特徴とその要因
 (1)「全部就業政策」vs.「全部雇用政策」
 (2)「混合型社会保険」vs.「単一型社会保険」
 (3)「工業化時代の福祉国家成立」vs.「サービス化時代の福祉国家成立」
 3 成立後の展開

5章 日韓における失業・貧困対策
 1 失業・貧困対策の展開
 2 失業・貧困対策の特徴とその要因
 (1)日韓の「二層体制」と西欧の「三層体制」
 (2)イギリスにおける「三層体制」の歴史的経路
 (3)日韓における「二層体制」の誕生とその帰結
 3 「二層体制」の今後

終章 日韓比較を超えて
 1 日韓比較のまとめ
 2 再び福祉レジーム論へ
 (1)3つのレジームの背後にあるもの
 (2)時間軸の比較視点でみた3つのレジーム
 3 今後の比較福祉国家研究に向けて

付章1 韓国における雇用保障政策――「21世紀型完全雇用政策」
 はじめに
 1 雇用保障政策の展開
 2 雇用創出・拡大政策の中身
 (1)「雇用創出総合対策」
 (2)核心政策としての「社会的雇用」事業
 (3)「社会的企業育成法」の成立とその後の展開
 3 「20世紀型完全雇用政策」と「21世紀型完全雇用政策」

付章2 福祉国家化以降の韓国社会――「過酷な現在・不安な将来」
 はじめに
 1 福祉国家へ、そして格差社会へ
 2 「過酷な現在・不安な将来」の諸相
 (1)最高水準の自殺率と最低水準の出生率
 (2)最低水準の若年就業率と最高水準の高齢者貧困率
 (3)最低水準の家族関連給付と最高水準の教育費
 3 「20世紀型福祉国家」と「21世紀型福祉国家」

 参考文献
 初出一覧
 索引
 あとがき

同じジャンルの本

このページのトップへ