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世界と日本の小学校の英語教育
本体3,200円+税
ISBN 9784750342764
判型・ページ数 A5・312ページ
出版年月日 2015/12/20

世界と日本の小学校の英語教育

早期外国語教育は必要か

英語をはじめとする外国語の早期教育は必要なのか。ヨーロッパ多言語地域での早期外国語教育、またEUの「言語の目覚め」活動などの実例を参考に、日本での小学校の英語教育の歴史と課題、今後のあり方を考える。鳥飼玖美子氏と編者の鼎談を収録。

 

【執筆者一覧】

西山 教行(にしやま のりゆき)
京都大学人間・環境学研究科教授。言語教育学、言語政策、フランス語教育学、フランコフォニー研究。主な著作に『「グローバル人材」再考』(共編著、くろしお出版、2014年)『マルチ言語宣言――なぜ英語以外の外国語を学ぶのか』(共編著、京都大学学術出版会、2011年)、『現代フランス社会を知るための62章』(共編著、明石書店、2010年)

大木 充(おおき みつる)
京都大学人間・環境学研究科名誉教授。言語学、外国語教育学。主な著作に、『フランス語とはとういう言語か』(共著、駿河台出版社、1993年)、『フランス語学研究の現在――木下教授喜寿記念論文集』(共著、白水社、2005年)、『マルチ言語宣言――なぜ英語以外の外国語を学ぶのか』(共編著、京都大学学術出版会、2011年)、『グローバル人材再考――言語と教育から日本の国際化を考える』(共著、くろしお出版、2014年)、『異文化間教育とは何か――グローバル人材育成のために』(共編著、くろしお出版、2015年)

ジャン=クロード・ベアコ
パリ第3大学名誉教授(言語文化教育学)、欧州評議会言語政策部門プログラム顧問、中等教育1級免許保持者(文法)、博士(言語学・フランス語教育)。
外国語としてのフランス語教育の第1人者であり、現在ではヨーロッパの言語教育政策を主導する欧州評議会の顧問として、フランス語教育だけではなく、言語教育政策全般にわたる指導的立場にあり、旺盛な研究活動を続けている。

マリザ・カヴァリ
元ヴァッレ・ダオスタ特別自治州教育研究所主任研究員、イタリアのヴァッレ・ダオスタ特別自治州の中学校の教員を務めた後に、ヴァッレ・ダオスタ特別自治州教育・実験・養成研究所の研究員となり、2009年に研究所が閉鎖されるまで、教育研究所・主任研究員を務めた。現在も欧州評議会の言語政策部門での研究活動を続けている。

長野 督(ながの こう)
北海道大学メディアコミュニケーション研究院教授。言語教育学、フランス語教育学、異文化コミュニケーション。

アルジロ・ムチドウ
テッサロニキ・アリストテレス大学教育学部講師(就学前教育学)博士(言語文化教育学)ギリシアの学校でフランス語やフランス文学の教育の従事した後に、就学前言語教育の研究に取り組み、テサロニケを中心に小学校での言語への目覚め教育を担当する教師研修を行っている。

塚原 信行(つかはら のぶゆき)
京都大学国際高等教育院附属国際学術言語教育センター准教授。社会言語学、マイノリティ言語に関わる言語政策。主な論文に「〈序論〉ネット時代のことばと社会」(パトリック・ハインリッヒと共著、『ことばと社会』15号)、「パラグアイ――言語政策の移植は可能か」(砂野幸稔編『多言語主義再考 多言語状況の比較研究』三元社、2012年)、「カタルーニャ人の言語――カタルーニャ語のその他の言語」(カルマ・ジュネンと共著、『ことばと社会』13号)。

クロード・ジェルマン
ケベック大学モントリオール校教育学部・言語教育学科名誉教授。専門は第二言語・外国語教育。日本だけでなく中国、アフリカなどからの招聘を受けて、ネッテン氏と共同で開発したANLおよびインテンシブ・フレンチコースについて講演を行っている。ネッテン氏と共著のANLに基づく外国語教育に関する論文多数。

ジョーン・ネッテン
ニューファンランド記念大学教育学部特任教授。カナダでのイマージョン教育の研究、フランス語教員養成およびジェルマン氏とともにインテンシブ・フレンチコースの開発と推進に携わっている。ジェルマン氏と共著のANLに基づく外国語教育に関する論文多数。

江利川 春雄(えりかわ はるお)
和歌山大学教育学部教授。博士(教育学)。英語教育史、英語教育学。日本英語教育史学会会長。主な著作に『近代日本の英語科教育史――職業系諸学校による英語教育の大衆化過程』(東信堂、2006年*日本英学史学会豊田實賞受賞)、『日本人は英語をどう学んできたか――英語教育の社会文化史』(研究社、2008年)、『英語教科書は〈戦争〉をどう教えてきたか』(研究社、2015年)

酒井 志延(さかい しえん)
千葉商科大学商経学部教授。専門は英語リメディアル教育学。主な著作に,“Can-do Descriptors Which Improve English Ability to Cope with College Entrance Examinations”,(Language Teacher Education, 1-2,70-87,2014.),「グローバル化のための語学プログラムを担当する日本人大学教員の意識に関する研究」,(『リメデイアル教育研究』9-1、57-68、2014.),“Towards Implementing the Principles of the Common European Framework for Languages within the Japanese Educational System”,(The CEFR in An East Asian Context(台湾国立大学)、73-98、2014.)「日本の英語学習者の認知方略使用に影響を与える要因ついて」,(『リメディアル教育研究』7-1、142-153、2012.)

吉村 雅仁(よしむら まさひと)
奈良教育大学大学院教育学研究科教授。専門は、国際理解教育、言語意識教育。主な著作に、「国際理解教育としての外国語授業」(日本国際理解教育学会編『国際理解教育』Vol.16、pp.57-66、明石書店、2010年)、「ことばと国際理解教育」(日本国際理解教育学会編著『グローバル時代の国際理解教育 実践と理論をつなぐ』明石書店、2010年),“Creating a Space for Language Awareness in Teacher Education in Japan: a Project Promoting Children's Awareness of Linguistic and Cultural Diversity.” (Breidbach, S., Elsner, D. and Young, A. (eds.) Language Awareness in Teacher Education: Cultural-Political and Social-Educational Perspectives. Mehrsprachigneit in Schule und Unterricht, Band 13, Peter Lang, pp.137-149, 2011.)

大山 万容(おおやま まよ)
京都大学、立命館大学非常勤講師(英語、フランス語)。専門は言語教育学、言語政策。京都大学博士(人間・環境学)、学位論文「複言語教育の日本における文脈化に関する研究」。

柳 美佐(りゅう みさ)
同志社女子大学表象文化学部嘱託講師。応用言語学、継承語教育・イマージョン教育研究。主な論文に「在日朝鮮学校における小学1年生へのL2朝鮮語指導の特徴」(『母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究会紀要』5号、2009)、“Issues concerning Immersion Education in Korean Schools in Japan”(The Japan Social Innovation Journal, Vol. 3, No.1, 2013)、「継承語と民族的アイデンティティの葛藤――在日朝鮮学校の継承語教育をめぐって」(『社会言語学』14号、「社会言語学」刊行会、2014年)

鳥飼 玖美子(とりかい くみこ)
順天堂大学特任教授。英語教育論、言語コミュニケーション論、通訳翻訳学。
主な著作に『英語教育論争から考える』(みすず書房、2014年)、『戦後史の中の英語と私』(みずず書房、2013年)

 まえがき

序章 ヨーロッパ人は英語教育をどう考えるか
 論点1 外国語教育を小学校から始めることについて
 論点2 早期外国語教育の実施と言語学習の臨界期について
 論点3 早期外国語教育が母語の習得にあたえる影響について
 論点4 小学校で学習する外国語について、英語でなければならないのか
 論点5 早期外国語教育で重要なのは、運用能力の養成か、それとも「ことばへの気づき(言語への目覚め)」活動か
 論点6 どの程度の英語力をめざすのか
 論点7 早期外国語教育は、英語だけでいいのか


第Ⅰ部 国外の事例から

第1章 ヨーロッパにおける言語教育政策と早期言語教育
 はじめに
 早期言語教育は有効か
 早期言語教育の成功するケース
 EUの早期言語教育
 COEの言語教育政策に見る早期言語教育
 おわりに

第2章 ヴァッレ・ダオスタの早期バイリンガル・複言語教育
 はじめに
 ヴァッレ・ダオスタの言語環境
 ヴァッレ・ダオスタの早期バイリンガル・複言語教育
 様々なバイリンガル教育モデルとヴァッレ・ダオスタのバイリンガル・複言語教育
 生徒の学力評価
 教師の養成
 費用対効果の問題
 バイリンガル教育を成功させるために
 おわりに

第3章 ギリシャにおける早期言語教育と「言語への目覚め活動」
 はじめに
 ヨーロッパの外国語教育とギリシャの外国語教育
 ギリシャの外国語教育と日本の外国語教育
 ギリシャの移民に対する教育
 まとめ

第4章 アラン谷における早期多言語教育――日本の言語教育に与える示唆
 はじめに――言語的少数派から見た早期多言語教育
 アラン谷における早期多言語教育
 日本の言語教育に与える示唆
 おわりに

第5章 カナダにおける早期言語教育――イマージョンとANL
 はじめに
 カナダについて
 コア・フレンチ
 イマージョン
 インテンシブ・フレンチ
 神経言語学的アプローチ(ANL)
 まとめ


第Ⅱ部 日本の事例を考える

第6章 歴史の中の小学校英語教育
 はじめに
 小学校における外国語教育の史的概観
 小学校ではどのような外国語が教えられたか
 小学校の外国語教育をめぐる論点
 開始時期と時間数をどうするか
 おわりに

第7章 英語リメディアル教育研究者から見た小学校英語教育
 小学校英語教育が話題になったころ
 小学校英語教育に関して推進派の意見
 小学校英語教育に対する反対論
 リメディアル教育とは何か
 リメディアルと向き合う
 小学校英語教育教科化に対する現場の意見
 小学校英語教育の利点と欠点
 今後のこと
 リメディアル研究者から見た早期英語教育に対する提言

第8章 小学校における国際理解教育としての外国語活動の可能性
 はじめに
 小学校教育現場の多言語状況
 国際理解教育の視点
 国際理解教育としての外国語活動
 公立小学校における授業実践事例
 国際理解教育としての外国語活動の可能性
 おわりに

第9章 言語への目覚め活動と小学校英語教育
 はじめに
 「言語への目覚め活動」の誕生と発展
 言語意識教育の定義
 欧州での発展――「言語意識」から「言語への目覚め活動」へ
 複言語主義とのつながり
 日本の小学校外国語活動における導入
 おわりに


第10章 継承語教育が民族的アイデンティティに与える影響
 はじめに
 移民の言語とバイリンガル教育
 在日韓国・朝鮮人と彼らの使用言語
 国内の朝鮮語教育機関と朝鮮学校の概要
 朝鮮学校の朝鮮語教育
 朝鮮学校出身者の朝鮮語に見られる問題
 複言語主義の視座から提唱する新たなパラダイム
 おわりに

終章 鼎談――小学校の英語教育は必要か


 あとがき

 著者紹介

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