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人工知能と21世紀の資本主義
本体2,600円+税
ISBN 9784750342924
判型・ページ数 4-6・316ページ
出版年月日 2015/12/21

人工知能と21世紀の資本主義

サイバー空間と新自由主義

爆発的なITテクノロジーの進展によって、後戻り不可能な「シンギュラリティ(技術的特異点)」を超えたとき、私たちを待ち受けているのはいかなる世界か。人工知能技術の開発とシカゴ学派を中心とする新自由主義の関係を明らかにし、21世紀の資本主義の本質を暴く。


爆発的なITテクノロジーの進展は、喧伝されるようなバラ色の未来をもたらすのか。
個人の自由なネットワークを実現するはずのSNSは、マイノリティを圧殺する手段となりつつある。コンピュータリゼーション(労働の自動化)は、雇用喪失と労働条件の劣化をもたらしている。熟練労働者は駆逐され、日銭稼ぎのアルバイトが増加する。……
「シンギュラリティ」(技術的特異点)を超え、世界が後戻りのできない地点に至ったとき、私たちを待ち受けるものは、一握りの「勝ち組」のためのユートピアではないのか。
本書で、著者は、人工知能、インターネットをはじめとするITテクノロジー開発にシカゴ学派など新自由主義者がいかに深く関わってきたかを明らかにし、サイバー空間の論理を読み解く。単純な新自由主義批判では、今日の危機は乗り越えられない。著者渾身のサイバー・リバタリアン批判。

 はしがき

第Ⅰ部 サイバー空間の現在――オンデマンド経済と労働の破壊

第1章 フリーランス(独立した)労働者
 はじめに
 1 正規労働者の排除
 2 ロンドンの厳しい運転免許試験
 3 ウーバーが開くオンデマンド(周旋)経済
 4 労働破壊
 おわりに

第2章 コンピュータリゼーション(労働の破壊)
 はじめに
 1 中間層の分解
 2 機械打ち壊し(ラッダイト運動)
 3 アルゴリズム(プログラムの手順)――細分化される労働
 おわりに

第3章 使い捨てられるIT技術者
 はじめに
 1 いかに会社を高く売るか――IT企業の戦略
 2 淫靡な開発競争
 3 コダック社の破綻に見る株価資本主義の行き詰まり
 4 下請け技術者の憤懣
 おわりに

第4章 SNSと刹那型社会の増幅
 はじめに
 1 仁義なき「プラットフォーム」戦争――オール・オア・ナッシング
 2 大きな声の前に沈黙させられてしまうSNS
 3 疑似的仲間
 4 福沢諭吉の楽観論とマーシャル・マクルーハンの悲観論
 おわりに

第Ⅱ部 サイバー空間の神学――新自由主義のイデオロギー

第5章 サイバー・リバタリアンの新自由主義
 はじめに
 1 シンギュラリティ(技術的特異点)とは
 2 テクノロジー進化論
 3 サイバー・リバタリアンの群像
 4 「新自由主義」とは何か
 おわりに

第6章 ジョージ・ギルダーの新自由主義神学
 はじめに
 1 ジョージ・ギルダーの「ノマド」批判
 2 ギルダーの「セントラル・ドグマ」信仰
 3 ギルダーの「テクノ・ユートピア」論
 おわりに

第7章 ハーバート・サイモンと人工知能開発
 はじめに
 1 米国流近代化論と数量経済学
 2 「ダートマス会議」と経営学者ハーバート・サイモン
 3 経営学者のサイモンが人工知能に期待する理由
 4 「ベイジアンネットワーク」――ビッグデータ解析への道筋
 5 脳を超えるコンピュータと「ディープラーニング」
 おわりに

第Ⅲ部 サイバー空間と情報闘争――新たなフロンティアの覇権の行方

第8章 企業科学とグローバルな共同利用地の行方
 はじめに
 1 「ディープラーニング」とビッグデータ
 2 ビッグデータの罠
 3 廃れたウェブ2・0の現実とビッグデータの未来
 4 冒される個人の権利と「グーグル・フォビア(恐怖症)」
 おわりに

第9章 証券市場の超高速取引(HFT)
 はじめに
 1 証券市場で増大したHFTのウェイト
 2 「フラッシュ・クラッシュ」と「ミニ先物」という投機的取引
 3 アルゴリズム取引と「ダークプール」
 おわりに

第10章 サイバー空間と情報戦
 はじめに
 1 「スノーデン・ショック」
 2 スパイマシーンになったインターネット会社
 おわりに

第11章 ビットコインの可能性
 はじめに
 1 サイファー・パンク
 2 ビットコイン
 3 ビットコインの広がり
 おわりに――ビットコインの可能性とプルードンの「人民銀行」

終章 スタートアップ企業に見る株式資本主義の変質

 注
 参考文献

 あとがき

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