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同性愛をめぐる歴史と法
本体4,000円+税
ISBN 9784750342399
判型・ページ数 4-6・336ページ
出版年月日 2015/08/31

同性愛をめぐる歴史と法

尊厳としてのセクシュアリティ

性的指向の自由は、人間の尊厳にかかわる人権である。アメリカ最高裁判決で脚光をあびる同性婚もその文脈から擁護されねばならない。本書は憲法や家族法等から同性愛の立ち位置を考えると共に、日本文学やナチズム等、歴史に刻まれた同性愛を深く探究する。

 

【執筆者一覧】

三成 美保(みつなり・みほ)
奈良女子大学研究院生活環境科学系教授。1956年生まれ。
専門:ジェンダー史・ジェンダー法学・西洋法制史。
主な著書:『ジェンダーの法史学─近代ドイツの家族とセクシュアリティ』(勁草書房、2005年)、『ジェンダーの比較法史学─近代法秩序の再検討』(編著、大阪大学出版会、2006年)、『権力と身体』(共編著、明石書店、2011年)、『歴史を読み替える─ジェンダーから見た世界史』(共編著、大月書店、2014年)、『講座ジェンダーと法、第1巻ジェンダー法学のインパクト』(共編著、日本加除出版、2012年)、『ジェンダー法学入門(第2版)』(共著、法律文化社、2015年)。

内田 雅克(うちだ・まさかつ)
東北芸術工科大学教授。1957年生まれ。専門:英語教育・男性史。主な著書:『大日本帝国の「少年」と「男性性」――少年少女雑誌に見る「ウィークネス・フォビア」』(明石書店、2010年)、「日本人男性の「男性性」――軍事化プロセスにおける「少年」を捉えて」『「慰安婦」問題を/から考える――軍事性暴力と日常世界』(共著、岩波書店、2014年)。

長 志珠絵(おさ・しずえ)
神戸大学大学院国際文化学研究科教授。1962年生まれ。専門:日本近現代史。主な著書:『歴史を読み替える――ジェンダーから見た日本史』(共編著、大月書店、2015年)、『ジェンダー史』(共著、山川出版、2014年)、『占領期・占領空間と戦争の記憶』(有志舎、2013年)。

木村 朗子(きむら・さえこ)
津田塾大学教授。1968年生まれ。専門:日本文学。主な著書:『女たちの平安宮廷――『栄花物語』によむ権力と性』(講談社メチエ、2015年)、『震災後文学論――あたらしい日本文学のために』(青土社、2013年)、『乳房はだれのものか――日本中世物語にみる性と権力』(新曜社、2009年)など。

鈴木 則子(すずき・のりこ)
奈良女子大学研究院生活環境科学系教授。専門:日本近世史。主な著書:『歴史における周縁と共生――女性・穢れ・衛生』(編著、思文閣出版、2014年)、『江戸の流行り病――麻疹騒動はなぜ起こったのか』(吉川弘文館、2012年)。

髙岡 尚子(たかおか・なおこ)
奈良女子大学研究院人文科学系教授。1964年生まれ。専門:フランス文学。主な著書:『摩擦する「母」と「女」の物語――フランス近代小説にみる「女」と「男らしさ」のセクシュアリティ』(晃洋書房、2014年)、『恋をする、とはどういうことか?――ジェンダーから考える ことばと文学』(編・共著、ひつじ書房、2014年)。

谷口 洋幸(たにぐち・ひろゆき)
高岡法科大学法学部准教授。専門:国際法・ジェンダー法。主な著書:『性的マイノリティ判例解説』(編著、信山社、2011年)、『性同一性障害――ジェンダー・医療・特例法』(共著、御茶の水書房、2008年)。

田野 大輔(たの・だいすけ)
甲南大学文学部教授。1970年生まれ。専門:歴史社会学・ドイツ現代史。主な著書:『魅惑する帝国――政治の美学化とナチズム』(名古屋大学出版会、2007年)、『愛と欲望のナチズム』(講談社選書メチエ、2012年)。

中里見 博(なかさとみ・ひろし)
徳島大学総合科学部准教授。1966年生まれ。専門:憲法。主な著書:『憲法24条+9条――なぜ男女平等がねらわれるのか』(かもがわ出版、2005年)、『ポルノグラフィと性暴力――新たな法規制を求めて』(明石書店、2007年)、『脱原発のための平和学』(共著、法律文化社、2013年)。

二宮 周平(にのみや・しゅうへい)
立命館大学法学部教授。1951年生まれ。専門:家族法。主な著書:『事実婚の現代的課題』(日本評論社、1990年)、『家族と法』(岩波新書、2007年)、『家族法〔第4版〕』(新世社、2013年)、共編著『離婚紛争の合意による解決と子の意思の尊重』(日本加除出版、2014年)、共著『離婚判例ガイド〔第3版〕』(有斐閣、2015年)。

野村 鮎子(のむら・あゆこ)
奈良女子大学研究院人文科学系教授。1954年生まれ。専門:中国文学・中国女性史。主な著書:『帰有光文学の位相』(汲古書院、2009年)、『ジェンダーからみた中国の家と女』(共編著、東方書店、2004年)、『中国女性史入門――女たちの今と昔』(共編著、人文書院、2004年)、『台湾女性史入門』(共編著、人文書院、2008年)、『台湾女性研究の挑戦』(共編著、人文書院、2010年)。

原 ミナ汰(はら・みなた)
NPO法人共生社会をつくるセクシュアルマイノリティ支援全国ネットワーク代表理事、よりそいホットラインセクシュアルマイノリティ専門ライン統括コーディネーター、翻訳通訳業。1956年東京生まれ。主な翻訳書に、『レスビアンの歴史』(原 美奈子名義、共訳、筑摩書房)、『生きる勇気と癒す力』(原 美奈子名義、共訳、三一書房)、Transforming Japan -- How Feminism and Diversity are making a Difference( Minata HARA名義、共訳、The Feminist Press)。

山崎 明子(やまさき・あきこ)
奈良女子大学研究院生活環境科学系准教授。1967年生まれ。専門:視覚文化論。主な著書:『近代日本の「手芸」とジェンダー』(世織書房、2005年)、『ひとはなぜ乳房を求めるのか――危機の時代のジェンダー表象』(共著、青弓社、2011年)。

はじめに――同性愛をめぐる歴史と法[三成美保]

総論 尊厳としてのセクシュアリティ[三成美保]
 はじめに─歴史的産物としての性愛二元論
 一 性の境界の曖昧さと揺らぎ
 二 「同性愛/異性愛」二元論の歴史的背景
 三 「異性愛(正常)/同性愛(異常)」という性愛二元論の確立
 おわりに─日本における今後の課題


第1部 性的指向の権利保障

第1章 「同性愛」と憲法[中里見博]
 はじめに
 一 日本型ホモフォビア
 二 「異性愛」の歴史化と脱自然化
 三 日本型ホモフォビアと憲法
 四 同性愛差別禁止の憲法上の根拠
 おわりに

COLUMN1 セクシュアリティ射程と歴史研究[長志珠絵]

第2章 家族法――同性婚への道のりと課題[二宮周平]
 はじめに
 一 近代的家族法制度の前提と変容
 二 同性カップルの生活保障類型
 三 同性婚導入のプロセス
 四 親子関係へのアクセス
 五 法の果たすべき役割─法の不介入と介入
 おわりに

第3章 「同性愛」と国際人権[谷口洋幸]
 はじめに
 一 前史
 二 展開
 三 考察
 四 むすびにかえて――現状から見えてくる課題

COLUMN2 同性愛解体――LG(レズビアン/ゲイ)二元論から、性的指向の一つへ[原ミナ汰]


第2部 歴史の中の同性愛

第4章 クィアの日本文学史――女性同性愛の文学を考える[木村朗]
 はじめに
 一 男色から同性愛へ
 二 エロティシズムのほうへ
 三 女性の同性愛表現
 四 宮廷物語の女性同士の性愛関係
 おわりに

第5章 元禄期の武家男色――『土芥寇讎記』『御当代記』『三王外記』を通じて[鈴木則子]
 一 男色と政治史 
 二 幕府中枢部から見た大名男色――『土芥寇讎記』
 三 御家人層から見た幕府人事と綱吉の男色――『御当代記』
 四 儒者が見た綱吉の治世――『三王外記』
 おわりに

COLUMN3 ともに嫁ぐか、ともに死ぬか?――前近代中国の女性同性愛[野村鮎子]

第6章 ウィークネスフォビアとホモフォビア――「日本男児」が怖れたもの[内田雅克]
 はじめに
 一 日清戦争から日露戦後期
 二 第一次世界大戦から軍縮期
 三 アジア太平洋戦争下
 おわりに

COLUMN4 物語としての『青い花』――雛形としての少女文学[山崎明子]

第7章 ナチズムと同性愛[田野大輔]
 はじめに
 一 「悪疫」としての同性愛
 二 「男性国家」の中の同性愛
 おわりに

COLUMN5 フランス近代小説に見る同性愛[髙岡尚子]

[資料]同性愛/性的指向/LGBTに関する対比年表[三成美保]

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