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ポストフクシマの哲学
本体2,800円+税
ISBN 9784750342313
判型・ページ数 4-6・292ページ
出版年月日 2015/08/20

ポストフクシマの哲学

原発のない世界のために

東京電力福島第一原子力発電所事故は、発生から4年を経て、いまだ終熄の糸口すらつかめないでいる。巨大な被害をもたらし続けるこのカタストロフィを私たちはいかにして生き延びるのか。そして哲学はそのために何を語ることができるのか。哲学者と実践者とが「フクシマの後」、われわれの直面する課題を考える。

 

【執筆者一覧】

岩田 渉(いわた わたる)
作曲家、美術家。市民科学者国際会議(CSRP)代表。2011年3月11日の大震災、津波に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故後、フランスのNGO「CRIIRAD」の協力のもと、北関東・福島県内で空間線量測定を開始。5月には千葉、茨城、福島、宮城県を共同調査。7月に福島県内に市民放射能測定所(CRMS)を設立。同年10月より第1回市民科学者国際会議を開催。第2回から第4回の実行委員長を務める。

ベルンハルト・ヴァルデンフェルス(Bernhard Waldenfels)
元ボッフム大学教授。現象学。主な著作に『行動の空間』(新田義弘他訳、白水社、1987年)、『講義・身体の現象学』(山口一郎・鷲田清一監訳、知泉書館、2004年)、『経験の裂け目』(山口一郎監訳、知泉書館、2009年)。

加藤和哉(かとう かずや)
聖心女子大学文学部教授。西洋中世哲学。主な著作に『哲学の歴史 3』(共著、中央公論新社、2007年)、『西洋哲学史Ⅱ 「知」の変貌・「信」の階梯』(共著、講談社、2011年)、『キリスト教をめぐる近代日本の諸相――響鳴と反撥』(編著、オリエンス宗教研究所、2008年)。

鎌仲ひとみ(かまなか ひとみ)
映像作家、映像製作プロダクション「ぶんぶんフィルムズ」代表。『ヒバクシャ世界の終わりに』(2003年)、『六ヶ所村ラプソディー』(2006年)、『ミツバチの羽音と地球の回転』(2010年)など核を巡る3部作を自主制作し、市民の手によって観て終わりにしない上映運動を展開してきた。最新作は『小さき声のカノン』(2014年)。

木田裕子(きだ ゆうこ)
母子疎開支援ネットワーク「hahako」代表、311みえネット代表。三重県四日市市在住、公立中学校講師、母親。共著に『戦争のつくりかた』(マガジンハウス、2004年)、『新・戦争のつくりかた』(マガジンハウス、2014年)。

高橋哲哉(たかはし てつや)
東京大学大学院総合文化研究科教授。哲学。関連する著書に、『犠牲のシステム 福島・沖縄』(集英社新書、2012年)、『3・11以後とキリスト教』(共著、ぷねうま舎、2013年)、『フクシマ以後の思想をもとめて 日韓の原発・基地・歴史を歩く』(共著、平凡社、2014年)など。

エティエンヌ・タッサン(Etienne Tassin)
パリ・ディドロ(パリ第7)大学教授。政治哲学。主な著作に『失われた宝 ハンナ・アレントと政治的活動の知解可能性』(仏語、1999年)、『共通世界 抗争の世界政治のために』(仏語、2003年)、『複数による生の呪い』(仏語、2012年)ほか。

渡名喜庸哲(となき ようてつ)
慶應義塾大学専任講師。専門はフランス哲学。主な著書に、『顔とその彼方――レヴィナス『全体性と無限』のプリズム』(共著、知泉書館、2014年)、エマニュエル・レヴィナス『レヴィナス著作集1 捕囚手帳ほか未刊著作』(共訳、法政大学出版局、2014年)、ジャン=ピエール・デュピュイ『聖なるものの刻印――科学的合理性はなぜ盲目か』(共訳、以文社、2014年)。

ジャン=リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy)
ストラスブール大学名誉教授。哲学。主な著作に『無為の共同体』(西谷修・安原伸一朗訳、以文社、2001年)、『世界の創造 あるいは世界化』(大西雅一郎ほか訳、現代企画室、2003年)、『フクシマの後で 破局・技術・民主主義』(渡名喜庸哲訳、以文社、2012年)ほか。

納富信留(のうとみ のぶる)
慶應義塾大学文学部教授。西洋古代哲学。主な著作に『ソフィストと哲学者の間――プラトン『ソフィスト』を読む』(名古屋大学出版会、2002年)、『ソフィストとは誰か?』(人文書院、2006年、ちくま学芸文庫、2015年)、『プラトン 理想国の現在』(慶應義塾大学出版会、2012年)など。

疋田香澄(ひきた かすみ)
「リフレッシュサポート─保養のための情報誌─」代表。2011年3月より、疎開ネットワーク「hahako」や一般社団法人こどけんなどで、保養相談会・健康相談会・情報支援・支援のマッチングなどを行う。主な著作に「当事者の多様な判断と選択を尊重する支援」(東洋大学国際哲学研究センター編『国際哲学研究別冊1 ポスト福島の哲学』、2013年)、「この息苦しい現状を変えるために」(フェミックス『We 174号』、2011年)。

堀切さとみ(ほりきり さとみ)
さいたま市職員。映像作家。主な映像作品『神の舞う島』(2009年)、『原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録』(2012年)、『続・原発の町を追われて』(2013年)。

武藤伸司(むとう しんじ)
東京女子体育大学体育学部体育科専任講師。現象学、身体論。主な著作に「発生的現象学における自然数の考察とその構成――自然主義の基礎づけに関する現象学的な方法の一つとして」(『国際哲学研究』第4号、2015年)、「『ベルナウ草稿』における未来予持と触発――意識流の構成における未来予持の必然性を問う」(日本現象学会編『現象学年報』29号、2013年)、「時間の不可逆性について――物理学における時間の考察と、現象学的記述の関係」(『東洋大学大学院紀要』第46集、2010年)。

武藤類子(むとう るいこ)
福島原発告訴団団長。主な著書に『福島からあなたへ』(大月書店、2012年)、『どんぐりの森から』(緑風出版、2014年)。

村上勝三(むらかみ かつぞ)
東洋大学文学研究科教授。デカルト哲学。主な著作に『感覚する人とその物理学――デカルト研究3』(知泉書館、2009年)、『デカルト形而上学の成立』(改訂第二版、講談社、2012年)、『知の存在と創造性』(知泉書館、2014年)など。

山口一郎(やまぐち いちろう)
東洋大学客員教授。現象学と唯識哲学。主な著書に『文化を生きる身体』(知泉書館、2004年)、『存在から生成へ』(知泉書館、2005年)、『感覚の記憶』(知泉書館、2011年)など。

山口祐弘(やまぐち まさひろ)
東京理科大学理学部教養学科教授。哲学。主な著作に『カントにおける人間観の探究』(勁草書房、1996年)、『ヘーゲル哲学の思惟方法』(学術出版会、2007年)、『ドイツ観念論の思索圏』(学術出版会、2010年)、ロベルト・ユンク『原子力帝国』(新訳、日本経済評論社、2015年)。

はじめに フクシマの後[ジャン=リュック・ナンシー(渡名喜庸哲/訳)]


Ⅰ 核時代の政治

第1章 フクシマ――犠牲のシステム[高橋哲哉]

コラム(1) 「フクシマ」の記念碑化[岩田渉]

第2章 フクシマは今――エコロジー的危機の政治哲学のための12の註記[エティエンヌ・タッサン(渡名喜庸哲/訳)]

コラム(2) 隔たりのなかでの闘い[堀切さとみ]

第3章 核時代の生――哲学・思想からの提言[山口祐弘]


Ⅱ 核時代の倫理

第4章 ぼくら、アトムの子どもたち 1962~1992~2011[加藤和哉]

コラム(3) 「震災ユートピア」のあとで――被曝低減活動の現在[疋田香澄]

第5章 予防原則の適用と環境倫理の方向性[山口一郎]

コラム(4) 福島原発告訴団の報告[武藤類子]


Ⅲ 来たるべき哲学の課題

第6章 放射線被曝下の倫理と哲学、あるいは、「人」の取り戻し[村上勝三]

コラム(5) 避難支援活動を続けてきて[木田裕子]

第7章 「理想」を語る哲学[納富信留]

コラム(6) 小さき声のカノン――選択する人々、意志が芽生える瞬間[鎌仲ひとみ]

第8章 為しえることと為しえないこと[ベルンハルト・ヴァルデンフェルス(武藤伸司/訳)]


 あとがき

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