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サウジアラビアを知るための63章【第2版】
本体2,000円+税
ISBN 9784750342221
判型・ページ数 4-6・412ページ
出版年月日 2015/07/30

サウジアラビアを知るための63章【第2版】

中村 覚 編著

中東の心臓部に位置するサウジアラビア。イスラーム重視の王制、豊富な石油資源に依存するレンティア経済などで知られる一方で、社会、文化、人々の暮らしぶりなど、まだ知られていない面も数多い。独自の特徴をもつ国の魅力を第一線の研究者たちが紹介する。

 

【執筆者一覧】

石田 圭子(いしだ・けいこ)
神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。美学・表象文化論専攻。

奥山 和子(おくやま・かずこ)
神戸大学大学院人間発達環境学研究科専任講師。留学生受け入れ、派遣担当。

柏原 良英(かしはら・よしひで)
拓殖大学イスラーム研究所主任研究員。イスラーム学専攻。

上山 一(かみやま・はじめ)
筑波大学大学院ビジネス科学研究科助教。金融論・中東経済(GCC諸国とリビア)・イスラーム金融・中東ビジネス関連法専攻。

川床 睦夫(かわとこ・むつお)
イスラーム考古学研究所所長。イスラーム考古学・文化史専攻。

岸 昭(きし・あきら)
新日本環境調査株式会社。水産海洋学専攻。

近藤 重人(こんどう・しげと)
慶應義塾大学法学研究科後期博士課程。湾岸諸国を中心とした中東現代史専攻。

須藤 繁(すどう・しげる)
帝京平成大学現代ライフ学部教授。石油産業論専攻。

高橋 俊二(たかはし・しゅんじ)
アラビア石油株式会社他にて原油生産施設建設に従事。アラビア緑化株式会社でサウジアラビアの沙漠緑化共同事業に参画。

千葉 悠志(ちば・ゆうし)
日本学術振興会特別研究員(PD)。中東メディア研究・国際コミュニケーション研究専攻。

辻上 奈美江(つじがみ・なみえ)
東京大学大学院総合文化研究科特任准教授。サウジアラビア地域研究・ジェンダー論専攻。

徳永 里砂(とくなが・りさ)
アラブ・イスラーム学院研究員。アラビア考古学専攻。

中村 覚(なかむら・さとる) ※編著者紹介を参照。

縄田 浩志(なわた・ひろし)
秋田大学国際資源学部教授。文化人類学専攻。

細井 長(ほそい・たける)
國學院大學経済学部教授。中東経済専攻。

ファーリス・シハーブ(Shihab FARIS)
キングサウード大学言語翻訳学部教授・日本語学科主任。日本学専攻。

町田 宗鳳(まちだ・そうほう)
広島大学大学院総合科学研究科教授。比較宗教学専攻。

三井 修(みつい・おさむ)
商社勤務を経て、中東経済研究所上級研究員、日本エネルギー経済研究所研究主幹等を歴任。歌人。

武藤 弘次(むとう・こうじ)
一般財団法人中東協力センター海外派遣専門家(リヤド・ジェッダ)。英国エクセター大学アラブ・イスラーム学研究所博士課程所属。サウジアラビアの国際政治・社会情勢・イスラーム文化専攻。

森 晋太郎(もり・しんたろう)
アラビア語通訳。東京外国語大学非常勤講師。アラブ近現代文学専攻。

森 伸生(もり・のぶお)
拓殖大学イスラーム研究所教授、同所長。イスラーム学専攻。

 はじめに
 サウード家 家系図
 地図


Ⅰ 歴史と政治

第1章 イスラームの誕生――サウジアラビアの源流
第2章 ワッハーブ主義とは何か――変化する「厳格な解釈」
第3章 第一次サウード朝、第二次サウード朝――政治的挫折
第4章 苦労人アブドゥルアジーズの政治的提携と外交――サウジアラビア王国の建国
第5章 イスラーム統治体制の基本理念とその変遷――カリフ制とスルターン制
第6章 サウード家の統治――歴代国王
第7章 サルマーン第7代国王――さまざまな対話を重んじる現実主義者
第8章 イスラーム、王族、石油による統治――権威主義体制
第9章 アラブの春と遅れる民主化――期待が寄せられるメディアの役割
第10章 行政改革――制度改革と人的資源開発
第11章 初の包括的テロ対策法――脅威の深刻化と「安全保障化」
【コラム1】アラビアでの日本人の詩情――歌人たちの場合
【コラム2】「日本紹介番組」と言われた『ハワーティル』を考える


Ⅱ 社会変容と伝統

第12章 グローバル時代のイスラーム国家――急速な都市化
第13章 強い宗教意識と弱い国民意識――国民のアイデンティティの変化
第14章 イスラーム生活のリズム――儀礼と暦
第15章 家族の絆とコミュニティー――男女の住み分け社会
第16章 古代から続くもてなしの心――コーヒー・シャイ・カブサ
【コラム3】サウジアラビア人の死生観
第17章 教育改革と学生の意識――移り変わる社会観
第18章 高等教育――創造的教育をめざして
【コラム4】サウジアラビア人留学生――宗教と近代化のはざまで浮遊する若者たち
【コラム5】アラブ詩揺籃の地における現代小説の夜明け
【コラム6】現代アート――躍進するアートとタブーへの挑戦


Ⅲ 地方の様子

第19章 賢い地域開発へ向けて――建設ラッシュと「住民」参加
第20章 サウジアラビアが守る聖地――マッカとマディーナ
第21章 リヤドの拡張と再開発――21世紀のオイルブームを背景に
第22章 東部州――広大な堆積層がもたらす豊かな恵み
第23章 北部諸州――古代オリエント文明の後背地
第24章 シーア派政策――和解と衝突の狭間
第25章 アシール山地の自然保護区と地域住民のかかわり――社会的重要性からビャクシン林の保全を考える
第26章 ヒョウを罠でしとめる――ビャクシン林における野生動物と人のかかわり
第27章 アシール山地の農業――ビャクシン林におけるなりわい
第28章 ハチミツの味わい――ビャクシン林の恵みを享受する
第29章 詩を吟じて男になる――男性割礼の治療に用いられたビャクシン樹皮


Ⅳ 生きる素顔

第30章 文化祭典ジャナドリーヤ――王国が受け継ぐ多彩な文化社会遺産
第31章 ラクダ・レースのジョッキーたち――スーダンからの出稼ぎ民のネットワーク
【コラム7】ウマ・ラクダ・狩猟の専門雑誌『アル=バワーシル』を読む
第32章 変化する女性のライフスタイル――教育レベルの向上、労働そしてシングル化
第33章 女性の地位と暮らし――女性の運転免許とヴェールをめぐって
第34章 社会福祉政策の変化――政府と国民を結ぶ制度
第35章 スポーツ事情――イスラームとの整合性
【コラム8】ホームドラマ『ターシィ・マー・ターシィ』をみる
【コラム9】映画『少女は自転車にのって』


Ⅴ 悠久の時間

第36章 アラビア半島の生い立ち――新生代での半島の完成(6000万年の変化)
第37章 アラビア半島の地形――形成過程の異なる五つの地形
第38章 アラビア半島の地質――12億年にわたる地殻変動の記録
第39章 天然資源――世界経済を左右する巨大油田群と期待される鉱山開発
第40章 気候、土地利用、緑化――尊い恵みの雨での沙漠活用や緑化
第41章 観光と遺跡・文化財――期待される発掘調査
第42章 プレ・イスラーム時代の遺跡――古代の香料の道
第43章 イスラーム時代の遺跡――交易・巡礼の道と都市
【コラム10】岩壁碑文


Ⅵ 経済

第44章 石油収入の分配――レンティア国家論
第45章 国家丸抱え経済からの脱却――民営化と外資導入
第46章 石油・ガスセクターの今後――利益の極大化をめざして
第47章 対照的な労働環境――サウジアラビア社会の外国人労働者
第48章 深刻な若者の失業――煽りを受ける外国人労働者
第49章 観光地としての展望――進む観光開発
【コラム11】サウジアラビアを取り巻く海洋
第50章 石油依存経済からの脱却をめざして――工業化・農業化
第51章 金融グローバル化――サウジアラビアの金融システムとイスラーム
第52章 サウジアラビアにおける金融ビジネスの進化――イスラーム金融市場の拡大
第53章 巡礼と先端技術――あらゆる技術導入の牽引力
【コラム12】情報社会に応えるソフト・パワー戦略――衛星テレビ、新聞、SNS、IT機器の普及


Ⅶ 外交

第54章 持続する「特別な関係」――米・サウジアラビアの関係
第55章 2011年以後の中東域内政治への対応――域内大国として独自力を打ち出す
第56章 石油外交――石油市場安定化の役割
第57章 皇室とサウード王家――日サ交流・友好の象徴
【コラム13】サウジアラビアに捧げた20年――毛利彰介氏
第58章 高まる期待感――日本・サウジアラビアの経済関係
第59章 日本の中のイスラーム社会――日本人ムスリム
第60章 安定したイスラーム社会に向けて――対アラブ・イスラーム世界外交
【コラム14】サウジアラビア人から見る日本の宗教生活
第61章 対GCC外交――GCCの盟主としての舵取り
第62章 中東和平外交――調整役を果たせるか
第63章 国際連合とサウジアラビア――関与を強化した覚悟は?


サウジアラビアを知るための文献案内

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