本体2,800円+税
ISBN | 9784750342245 |
---|---|
判型・ページ数 | 4-6・368ページ |
出版年月日 | 2015/07/30 |
核時代の神話と虚像
原子力の平和利用と軍事利用をめぐる戦後史
広島・長崎へ原爆が投下されてから70年。その後も第五福竜丸事故、3.11福島第一原発事故、そして劣化ウラン兵器などにより、国内外で被ばく者は増加を続けている。戦後の核問題について深い洞察を続けてきた第一人者らが、核の平和利用と軍事利用の密接な結節点を指摘し、核をめぐる欺瞞を撃つ。戦争と核のない世界を希求する言霊。
孫崎享氏推薦!
――核をめぐる欺瞞を撃つ、戦後史の真実を知るための必読書だ。
70年前、広島・長崎へ原爆が投下され、核の時代の幕が上がった。
核をめぐる問題に対し深い洞察を続けてきた第一人者らが、
戦後の軌跡とこの時代の意味を問い直す。
はじめに
第1章 核時代の幕開けの意味を問い直す――忍び寄るグローバルヒバクシャの影[木村朗]
はじめに
1 核時代の幕開けと冷戦開始の合図となった原爆投下――核兵器(原爆・水爆)問題をめぐる過去と現在
2 劣化ウラン兵器と枯れ葉剤による被害――「グローバルヒバクシャ」という新しい視点の意義
3 核・原子力の軍事利用と平和利用の境界
4 フクシマの意味と原発震災の教訓
5 「戦争と核(核兵器と原発)のない世界」の実現を目指して
第2章 軍事・防衛研究としての放射線人体影響研究――第二次世界大戦・冷戦・対テロ戦争[高橋博子]
1 第二次世界大戦
2 米ソ冷戦
3 対テロ戦争
おわりに
第3章 核兵器と原発で歪められた放射線被曝の研究[沢田昭二]
1 原爆被害隠蔽政策に歪められた放射線防護の研究体制
2 ABCC2放射線影響研究所の疫学研究の欠陥
3 DS86の原爆残留放射線の線量評価
4 放射性降下物による被曝影響
おわりに
第4章 占領期における原爆・原子力言説と検閲[加藤哲郎]
はじめに――「閉された言語空間」のなかで
1 原爆と原子力の報道・言説空間
2 左派大衆政治誌『真相』の原爆・原子力報道
3 七三一部隊出自の『輿論』『政界ジープ』とその原爆・原子力観
おわりに――占領期言説空間の多元的・重層的構成
第5章 住民はなぜ被曝させられたのか――広島・長崎からマーシャル諸島へ[竹峰誠一郎]
はじめに
1 広島・長崎からマーシャル諸島へ――米核開発の軌跡
2 住民の被曝は偶然の事故であったのか
3 「最も価値あるデータ」に位置づけられた住民の被曝
おわりに
コラム 『長崎の鐘』永井隆の隠された軍国主義思想[中村尚樹]
コラム 日本は金さんに学べ[関口達夫]
コラム 平和を――本島さんの願いを胸に[西岡由香]
コラム 無視されるマーシャル諸島の核実験被害[豊崎博光]
コラム 内向きの戦史観から脱却を[乗松聡子]
第6章 「原子力の平和利用」の真相――原発導入の背景と隠された米国の意図[戸田清]
はじめに
1 米国による核の軍事利用と平和利用
2 米国政府と日本政府・自民党の関係
3 日米原子力協定
4 福島第一原発事故後の日米原子力関係
5 潜在的核抑止と原発輸出を動機とする再稼働
おわりに
第7章 掣肘受けざるべく――核燃料サイクル計画の裏に潜む闇[藤田祐幸]
1 結節点
2 科学技術庁構想
3 中曽根原子力予算とビキニ被曝事件
4 国家の意思
5 秘密報告書の数々
6 核燃料サイクル計画
7 原爆の作り方
第8章 原子力と平和――福島第一原子力発電所事故と原子力の内実[小出裕章]
はじめに
1 福島第一原子力発電所事故
2 日本の原子力開発の内実
4 差別と平和
第9章 原子力政策空回りの時代[吉岡斉]
はじめに
1 福島事故前の日本の原子力政策
2 民主党政権による政策転換とその挫折
3 原状復帰を目指す自民党政権
おわりに
コラム 技術教育に携わってきた被爆者の一人として、福島第一原発の事故から思うこと[田中煕巳]
コラム 人類は原発事故から何を学ぶのだろう[武藤類子]
コラム そもそも核の平和利用などがあり得たのか[川内博史]
コラム 核兵器だけが犯罪なのではない[広瀬隆]
コラム 「小さき声のカノン」の挑戦[鎌仲ひとみ]
第10章 劣化ウランの兵器転用がもたらすもの[山崎久隆]
はじめに
1 核兵器との違い
2 天然ウラン・劣化ウラン・濃縮ウラン
3 劣化ウラン兵器の種類
4 航空機事故
5 劣化ウラン弾の配備と演習
6 劣化ウランの戦闘での使用
7 劣化ウランによる健康への影響
8 国際社会と劣化ウラン
9 廃絶の取り組み
10 次世代のために
第11章 アメリカ新核戦略と日本の選択――核兵器をめぐる現状と課題[湯浅一郎]
1 終末時計の針が、三たび三分前に
2 世界の核兵器――現状と歴史的変遷
3 米国の新核戦略
4 日本の核政策
5 NPTなどでの到達点
6 当面の課題
第12章 朝鮮半島における「核問題」と朝鮮人被爆者に関する歴史の一考察[李昤京]
はじめに
1 核時代初めての戦争、朝鮮戦争――再び原爆投下の影
2 在韓米軍の核武装と核発電の始まり――五〇年代
3 南北両政権の核開発の試みと挫折――六〇~八〇年代
4 東西冷戦の崩壊と朝鮮半島に迫る核危機――九〇年代以後
おわりに――グローバルヒバクシャ
第13章 軍事攻撃されたら福島の原発はどうなるか――「平和を欲すれば軍事力・軍事同盟を強化せよ」論の落とし穴[藤岡惇]
1 タブーとされてきた原発への軍事攻撃問題
2 原発=ゆっくりと爆発する原爆
3 福島第一原発で何が起こったのか
4 原発が軍事攻撃されるとどうなるか――中東諸国の事例
5 航空機をミサイルに変える――九・一一事件の衝撃
6 なぜ沖縄・イスラエルでは原発が建設されなかったのか
7 なぜ原発が軍事反撃の格好の標的なのか――米国の最新の戦争システムのアキレス腱
8 日本の原発が軍事攻撃を受けた場合、どの程度、耐えられるのか
9 福島第一原発が攻撃された場合、どうなるか
おわりに――「核の時代」のフクシマ段階に生きる智慧
第14章 核軍縮と非核兵器地帯――北東アジア非核兵器地帯構想を中心に[中村桂子]
1 非人道性と核抑止
2 「核の傘」依存国の役割
3 核抑止依存と日本
4 非核兵器地帯の今日的意義
5 北東アジア非核兵器地帯と日本
6 包括的アプローチの提言
7 困難を乗り越える新しい発想
結びに代えて――外交プロセスへの展望
第15章 日米〈核〉同盟――その軌跡と隠された真実[太田昌克]
はじめに
1 フクシマとアメリカ
2 「核同盟」の源流〈その1〉――「民」の視座から
3 「核同盟」の源流〈その2〉――「軍」の視座から
4 「傘」絶対視の被爆国政府
5 核同盟、その帰結
コラム 核兵器禁止条約は近づいている[川崎哲]
コラム 原水禁署名運動とオール沖縄[丸浜江里子]
コラム 核と人類は共存できない~核利用サイクルによる核被害の現場から~[森瀧春子]
コラム 原子力の平和利用と軍事利用は同じコインの裏表[金平茂紀]
コラム 秘密保護法と原発・核情報[海渡雄一]
推薦図書一覧
年表・核兵器廃絶への取り組み
執筆者紹介
第1章 核時代の幕開けの意味を問い直す――忍び寄るグローバルヒバクシャの影[木村朗]
はじめに
1 核時代の幕開けと冷戦開始の合図となった原爆投下――核兵器(原爆・水爆)問題をめぐる過去と現在
2 劣化ウラン兵器と枯れ葉剤による被害――「グローバルヒバクシャ」という新しい視点の意義
3 核・原子力の軍事利用と平和利用の境界
4 フクシマの意味と原発震災の教訓
5 「戦争と核(核兵器と原発)のない世界」の実現を目指して
第2章 軍事・防衛研究としての放射線人体影響研究――第二次世界大戦・冷戦・対テロ戦争[高橋博子]
1 第二次世界大戦
2 米ソ冷戦
3 対テロ戦争
おわりに
第3章 核兵器と原発で歪められた放射線被曝の研究[沢田昭二]
1 原爆被害隠蔽政策に歪められた放射線防護の研究体制
2 ABCC2放射線影響研究所の疫学研究の欠陥
3 DS86の原爆残留放射線の線量評価
4 放射性降下物による被曝影響
おわりに
第4章 占領期における原爆・原子力言説と検閲[加藤哲郎]
はじめに――「閉された言語空間」のなかで
1 原爆と原子力の報道・言説空間
2 左派大衆政治誌『真相』の原爆・原子力報道
3 七三一部隊出自の『輿論』『政界ジープ』とその原爆・原子力観
おわりに――占領期言説空間の多元的・重層的構成
第5章 住民はなぜ被曝させられたのか――広島・長崎からマーシャル諸島へ[竹峰誠一郎]
はじめに
1 広島・長崎からマーシャル諸島へ――米核開発の軌跡
2 住民の被曝は偶然の事故であったのか
3 「最も価値あるデータ」に位置づけられた住民の被曝
おわりに
コラム 『長崎の鐘』永井隆の隠された軍国主義思想[中村尚樹]
コラム 日本は金さんに学べ[関口達夫]
コラム 平和を――本島さんの願いを胸に[西岡由香]
コラム 無視されるマーシャル諸島の核実験被害[豊崎博光]
コラム 内向きの戦史観から脱却を[乗松聡子]
第6章 「原子力の平和利用」の真相――原発導入の背景と隠された米国の意図[戸田清]
はじめに
1 米国による核の軍事利用と平和利用
2 米国政府と日本政府・自民党の関係
3 日米原子力協定
4 福島第一原発事故後の日米原子力関係
5 潜在的核抑止と原発輸出を動機とする再稼働
おわりに
第7章 掣肘受けざるべく――核燃料サイクル計画の裏に潜む闇[藤田祐幸]
1 結節点
2 科学技術庁構想
3 中曽根原子力予算とビキニ被曝事件
4 国家の意思
5 秘密報告書の数々
6 核燃料サイクル計画
7 原爆の作り方
第8章 原子力と平和――福島第一原子力発電所事故と原子力の内実[小出裕章]
はじめに
1 福島第一原子力発電所事故
2 日本の原子力開発の内実
4 差別と平和
第9章 原子力政策空回りの時代[吉岡斉]
はじめに
1 福島事故前の日本の原子力政策
2 民主党政権による政策転換とその挫折
3 原状復帰を目指す自民党政権
おわりに
コラム 技術教育に携わってきた被爆者の一人として、福島第一原発の事故から思うこと[田中煕巳]
コラム 人類は原発事故から何を学ぶのだろう[武藤類子]
コラム そもそも核の平和利用などがあり得たのか[川内博史]
コラム 核兵器だけが犯罪なのではない[広瀬隆]
コラム 「小さき声のカノン」の挑戦[鎌仲ひとみ]
第10章 劣化ウランの兵器転用がもたらすもの[山崎久隆]
はじめに
1 核兵器との違い
2 天然ウラン・劣化ウラン・濃縮ウラン
3 劣化ウラン兵器の種類
4 航空機事故
5 劣化ウラン弾の配備と演習
6 劣化ウランの戦闘での使用
7 劣化ウランによる健康への影響
8 国際社会と劣化ウラン
9 廃絶の取り組み
10 次世代のために
第11章 アメリカ新核戦略と日本の選択――核兵器をめぐる現状と課題[湯浅一郎]
1 終末時計の針が、三たび三分前に
2 世界の核兵器――現状と歴史的変遷
3 米国の新核戦略
4 日本の核政策
5 NPTなどでの到達点
6 当面の課題
第12章 朝鮮半島における「核問題」と朝鮮人被爆者に関する歴史の一考察[李昤京]
はじめに
1 核時代初めての戦争、朝鮮戦争――再び原爆投下の影
2 在韓米軍の核武装と核発電の始まり――五〇年代
3 南北両政権の核開発の試みと挫折――六〇~八〇年代
4 東西冷戦の崩壊と朝鮮半島に迫る核危機――九〇年代以後
おわりに――グローバルヒバクシャ
第13章 軍事攻撃されたら福島の原発はどうなるか――「平和を欲すれば軍事力・軍事同盟を強化せよ」論の落とし穴[藤岡惇]
1 タブーとされてきた原発への軍事攻撃問題
2 原発=ゆっくりと爆発する原爆
3 福島第一原発で何が起こったのか
4 原発が軍事攻撃されるとどうなるか――中東諸国の事例
5 航空機をミサイルに変える――九・一一事件の衝撃
6 なぜ沖縄・イスラエルでは原発が建設されなかったのか
7 なぜ原発が軍事反撃の格好の標的なのか――米国の最新の戦争システムのアキレス腱
8 日本の原発が軍事攻撃を受けた場合、どの程度、耐えられるのか
9 福島第一原発が攻撃された場合、どうなるか
おわりに――「核の時代」のフクシマ段階に生きる智慧
第14章 核軍縮と非核兵器地帯――北東アジア非核兵器地帯構想を中心に[中村桂子]
1 非人道性と核抑止
2 「核の傘」依存国の役割
3 核抑止依存と日本
4 非核兵器地帯の今日的意義
5 北東アジア非核兵器地帯と日本
6 包括的アプローチの提言
7 困難を乗り越える新しい発想
結びに代えて――外交プロセスへの展望
第15章 日米〈核〉同盟――その軌跡と隠された真実[太田昌克]
はじめに
1 フクシマとアメリカ
2 「核同盟」の源流〈その1〉――「民」の視座から
3 「核同盟」の源流〈その2〉――「軍」の視座から
4 「傘」絶対視の被爆国政府
5 核同盟、その帰結
コラム 核兵器禁止条約は近づいている[川崎哲]
コラム 原水禁署名運動とオール沖縄[丸浜江里子]
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