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平成の大合併と地域社会のくらし
本体9,200円+税
ISBN 9784750341644
判型・ページ数 A5・520ページ
出版年月日 2015/03/31

平成の大合併と地域社会のくらし

関係性の民俗学

明治以降、くりかえされてきた市町村合併。だが「平成の大合併」は自治体財政のスリム化に重きを置き、地域の実情を十分に反映しない点で特異であった。合併により共同体の枠組みが組み替えられる中、人々はいかに関係性を再構築できるか、民俗学の新たな課題に取り組む。

 

【執筆者一覧】

加藤秀雄(かとう ひでお)
1983年生まれ。国立歴史民俗博物館機関研究員。主な著作に「三浦家のモノにみる本吉地域の生活文化――津波のあとに興されたイエ」『東日本大震災と気仙沼の生活文化――図録と活動報告』人間文化研究機構国立歴史民俗博物館、2013年、「伝承概念の脱/再構築のために」『現代民俗学研究』4、現代民俗学会、2012年、「マクシム・ゴーリキーのフォルクロール論と日本におけるその受容」『常民文化』35、成城大学、2012年ほか。

亀井好恵(かめい よしえ)
1962年生まれ。成城大学民俗学研究所研究員。主な著作に『女子プロレス民俗誌――物語のはじまり』雄山閣出版、2000年、『プロレスファンという装置』小田亮と共編著、青弓社、2005年、『女相撲民俗誌――越境する芸能』慶友社、2012年ほか。

玄蕃充子(げんば あつこ)
1987年生まれ。成城大学大学院博士課程後期在籍、成城大学民俗学研究所研究生。主な著作に「福島県いわき市江名における漁業の変容――漁村社会の把握にむけて」『常民文化』34、成城大学、2011年。

小島孝夫(こじま たかお) ※編者紹介欄を参照。

今野大輔(こんの だいすけ)
1982年生まれ。成城大学民俗学研究所研究員・淑徳大学兼任講師。主な著作に『ハンセン病と民俗学――内在する差別論理を読み解くために』皓星社、2014年ほか。

髙木大祐(たかぎ だいすけ)
1977年生まれ。我孫子市杉村楚人冠記念館嘱託職員・成城大学文芸学部非常勤講師。主な著作に『動植物供犠と現世利益の信仰論』慶友社、2014年、「漁業と供養――東北地方の鮭供養を事例として」『日本民俗学』248、日本民俗学会、2006年、「奥山半僧坊信仰の変遷――講と漁業史の視点から」長谷部八朗編著『「講」研究の可能性Ⅱ』慶友社、2014年ほか。

田中宣一(たなか せんいち)
1939年生まれ。成城大学名誉教授。主な著作に『徳山村民俗誌――ダム 水没地域社会の解体と再生』慶友社、2000年、『祀りを乞う神々』吉川弘文館、2005年、『暮らしの革命――戦後農村の生活改善事業と新生活運動』編著、農山漁村文化協会、2011年ほか。

俵木 悟(ひょうき さとる)
1972年生まれ。成城大学文芸学部准教授。主な著作に『日本の民俗9 祭りの快楽』共著、吉川弘文館、2009年、「あのとき君は〈無形文化財〉だった」岩本通弥編『世界遺産時代の民俗学――グローバル・スタンダードの受容をめぐる日韓比較』風響社、2013年、『民俗小事典 神事と芸能』神田より子と共編、吉川弘文館、2010年ほか。

八木橋伸浩(やぎはし のぶひろ)
1957年生まれ。玉川大学リベラルアーツ学部教授。主な著作に『都市周縁の考現学』言叢社、1995年、『キーワードで学ぶ知の連環』共著、玉川大学出版部、2007年、『都市民俗文献目録』岩田書院、2010年ほか。

山﨑久登(やまざき ひさと)
1977年生まれ。東京都立高等学校教諭。主な著作に「御場肝煎制と江戸の町」『史潮』76、歴史学会、2014年、「江戸周辺鷹場と御場肝煎制――化政期を中心に」『地方史研究』63(6)、地方史研究協議会、2013年、平凡社地方資料センター編『日本歴史地名大系 第13巻(東京都の地名)』共著、平凡社、2002年ほか。

山田直巳(やまだ なおみ)
1948年生まれ。成城大学社会イノベーション学部教授。主な著作に『民俗と文化の形成』新典社、2002年、「踏喪歌の諸相――その局面の概念定義」『アジア民族文化研究』アジア民族文化学会、2012年、「雲南省大理白族の葬送歌唱――永香村踏喪歌」『成城大学社会イノベーション研究』8(2)、成城大学社会イノベーション学会、2013年ほか。

山本志乃(やまもと しの)
1965年生まれ。旅の文化研究所主任研究員。主な著作に『女の旅――幕末維新から明治期の11人』中央公論新社、2012年、『日本の民俗3 物と人の交流』共著、吉川弘文館、2008年、『乾杯の文化史』共著、ドメス出版、2007年ほか。

 まえがき


〈論考編〉

第Ⅰ部 町村合併の歴史的展開

第1章 日本における町村合併の展開[小島孝夫]
第2章 合併に対するまなざしの過去と現在――システムと伝承の関係性を問う[加藤秀雄]
第3章 明治の大合併と行政村の創出――山村地域の特質を中心に[山崎久登]


第Ⅱ部 地域社会の生活文化や心意の変化

第4章 自治体の再編とふるさと意識・民俗の変化[亀井好恵]
第5章 「生活の道」の変遷――兵庫県佐用郡佐用町海内を事例として[山本志乃]
第6章 互助協同の変化と協同圏の拡大[田中宣一]
第7章 市町村合併と新たなつながりの模索――秋田県北秋田市を事例に[玄蕃充子]
第8章 市町村合併・学校統廃合と民俗変化――浜松市天竜区気田と鳥羽市離島部を中心に[髙木大祐]


第Ⅲ部 合併に対する受容と対抗

第9章 合併する論理としない論理――隠岐諸島、島前と島後の合併プロセスを考察する[山田直巳]
第10章 合併拒否の選択肢とその背景――長野県上伊那地方を事例として[八木橋伸浩]


第Ⅳ部 地域社会の現状や課題

第11章 島をつないで、島を継ぐ――笠岡諸島における島嶼連携による「島づくり」の実践と困難[俵木悟]
第12章 中山間地域における森林資源の活用と課題[小島孝夫]
第13章 新市一体感の醸成――長野県上伊那地域の市町村合併にみる期待と不安[今野大輔]
終章 町村合併と地域社会のくらし――新たな「関係性」の模索[小島孝夫]


〈資料編〉
 追跡調査地一覧
 秋田県北秋田市阿仁荒瀬(旧北秋田郡荒瀬村)
 新潟県東蒲原郡阿賀町(旧東蒲原郡上川村)
 長野県伊那市(旧上伊那郡美和村)
 静岡県浜松市天竜区(旧周智郡気多村)
 和歌山県田辺市龍神村(旧日高郡上山路村)
 兵庫県佐用郡佐用町海内(旧佐用郡石井村海内)
 岡山県笠岡市 笠岡諸島(旧小田郡白石島村)
 島根県 隠岐諸島(旧穏地郡都万村)
 徳島県那賀郡那賀町木頭(旧海部郡木頭村)
 佐賀県唐津市厳木町天川(旧東松浦郡厳木町天川)
 鹿児島県出水市(旧出水郡大川内村)
 鹿児島県鹿屋市輝北町百引(旧肝属郡百引村)


 あとがき
 索引

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