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草原と鉱石
本体3,700円+税
ISBN 9784750341682
判型・ページ数 A5・312ページ
出版年月日 2015/03/20

草原と鉱石

モンゴル・チベットにおける資源開発と環境問題

内陸アジア地域は、かつて遊牧民たちによって築き上げられた遊牧文明の揺籃の地であった。本書は、現在、地下資源開発が急激に進行する内陸アジア地域、とりわけモンゴル高原とチベット高原を対象に資源開発が引き起こす環境問題を読み解く試みである。文化人類学・環境科学の文理融合研究の成果。

序にかえて 「草原と鉱石」という古くて新しい問題〔棚瀬慈郎、島村一平〕


第1部 地下資源開発の歴史と社会変容――モンゴル

第1章 鉱物を捜し求めて──地質学をめぐるモンゴル-ソ連共同調査の歴史と資料〔S.チョローン/島村一平訳〕
第2章 モンゴルの「露わなる宝」──ウラン鉱山都市マルダイについての覚書〔グレゴリー・デラプラス/棚瀬慈郎訳〕
第3章 衛星牧民──モンゴル・オユートルゴイ鉱山開発を巡る遊牧民の生存戦略〔G.ビャンバラクチャー/八木風輝、島村一平訳〕
第4章 鉱山を渡り歩くシャーマン──モンゴルにおける地下資源開発と『依存的抵抗』としての宗教実践〔島村一平〕


第2部 地下資源開発による環境への影響――モンゴル

第5章 モンゴル国の鉱山と自然環境〔Ch.ジャブザン/堀田あゆみ訳〕
第6章 鉱山開発とヒトへの健康影響〔中澤暦、永淵修、岡野寛治〕
第7章 砂金採掘産業の環境への影響──モンゴル・トゥブ県・ザーマル金鉱の事例から〔ゲレルトオド、厳網林、ジャンチブドルジ〕
第8章 鉱山開発が河川の水質に及ぼす影響──オルホン川支流域における金採掘を事例として〔Ch.ジャブザンほか/堀田あゆみ訳〕


第3部 資源開発にあらがうのか、適応するのか――内モンゴルと青海チベット

第9章 内モンゴルの環境抗争運動〔ウチラルト〕
第10章 鉱山開発にあらがう「防波堤村」の誕生──中国内モンゴル自治区ホーリンゴル炭鉱の事例から〔包宝柱〕
第11章 誰のために何を守るのか?──中国の環境保護政策と青海省チベット族〔デンチョクジャプ〕
第12章 草原を追われる遊牧民──中国青海省黄南チベット族自治州における生態移民、定住化プロジェクトについて〔ナムタルジャ〕
第13章 公害、退耕還林、産児制限──中国青海省黄南チベット族自治州の村から見た現代中国〔棚瀬慈郎〕

終章 道と路道学──モンゴルのナショナルな地理を再想像するということ〔オラディン・E・ボラグ/島村一平訳〕


 あとがき
 執筆者紹介

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