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聴覚障害者へのソーシャルワーク
本体2,800円+税
ISBN 9784750341415
判型・ページ数 A5・200ページ
出版年月日 2015/02/28

聴覚障害者へのソーシャルワーク

専門性の構築をめざして

長い間、聴覚障害のある人の相談は手話でコミュニケーションのできるろうあ者相談員が行なってきた。だが、しだいに現場から相談援助の専門家であるソーシャルワーカーが求められるようになり、2006年に日本聴覚障害者ソーシャルワーカー協会が設立された。本書はこの聴覚障害ソーシャルワーカーの専門性とは何なのかを、科学的根拠に基づく調査研究により考察し、とくに、ろう文化にアイデンティティをもつ聴覚障害者を対象としたソーシャルワーク論を展開した意欲作。

 はじめに

第1章 研究課題と構成
 1.研究の目的
 2.研究の方法
 3.本研究の構成

第2章 クライエントとしての聴覚障害者
 1.聴覚障害者とは
  [1]聴覚障害者の多様性
  [2]多様なニーズと相談内容
  [3]少数派である聴覚障害者
 2.聴覚障害者へのまなざしの変遷
  [1]歴史的変遷
  [2]病理的視点から文化的視点へ
 3.聴覚障害者のろう文化
  [1]ろう文化の特性
  [2]ろう文化の構成要素としての手話
  [3]日本におけるろう文化の状況

第3章 相談援助専門職であるソーシャルワーカー
 1.ソーシャルワーカーとは
  [1]ソーシャルワーカーの現状
  [2]聴覚障害ソーシャルワーカーの歴史と現状
  [3]養成制度からみたソーシャルワーカー
 2.ソーシャルワーカーのジェネラルな技能とスペシフィックな技能
  [1]ジェネラルな技能
  [2]本研究におけるスペシフィックな技能のとらえ方

第4章 聴覚障害ソーシャルワークの理論的枠組みの形成
 1.調査分析(1)
  [1]はじめに
  [2]調査方法の選択理由
 2.インタビュー調査の方法
  [1]インタビュー調査の研究協力者
  [2]インタビュー調査の方法およびデータ収集
  [3]における倫理的配慮
  [4]分析方法
 3.分析結果
  [1]カテゴリー・概念の生成
  [2]ストーリーラインと聴覚障害ソーシャルワークの枠組み
  [3]カテゴリーの概念説明
 4.考察

第5章 ソーシャルワーカーのコンピテンス
 1.コンピテンスに関する先行研究
 2.異文化間ソーシャルワークにおけるカルチュラル・コンピテンス
  [1]NASWのカルチュラル・コンピテンス
  [2]異文化間ソーシャルワークのカルチュラル・コンピテンス
 3.聴覚障害ソーシャルワーカーのコンピテンスに関する先行研究

第6章 聴覚障害ソーシャルワーカーのコンピテンス
 1.調査分析(2)
  [1]調査の目的と概要
  [2]調査方法の選択理由
 2.インタビュー調査の方法
  [1]インタビュー調査の研究協力者
  [2]インタビュー調査の方法およびデータ収集
  [3]研究における倫理的配慮
  [4]分析方法
 3.分析結果
  [1]島・表札の生成
  [2]結果の概念説明
 4.聴覚障害ソーシャルワーカーのコンピテンス概念図
 5.考察

第7章 調査結果の考察と今後の研究課題――文化モデルアプローチの構築に向けて
 1.調査結果の妥当性
  [1]先行研究との共通点
  [2]先行研究との相違点
 2.ろう文化視点の重要性の確認――就労支援の事例をもとに
 3.文化モデルアプローチの提言

第8章 まとめ
 1.本研究の要約と結論
 2.本研究の意義と限界
 3.今後の課題

 文献リスト
 おわりに
 謝辞

  事項索引
  人名索引

 〈資料1〉調査分析(1) M-GTA分析ワークシート
 〈資料2〉調査分析(2) KJ法 表札の対応表

 初出一覧

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