ホーム > ある華僑の戦後日中関係史
ある華僑の戦後日中関係史
本体2,300円+税
ISBN 9784750340562
判型・ページ数 4-6・256ページ
出版年月日 2014/08/31

ある華僑の戦後日中関係史

日中交流のはざまに生きた韓慶愈

1953年に祖国中国に帰国するはずだった韓慶愈は周恩来の片腕だった廖承志から「日本で華僑向けの新聞を出すべきだ」と進言され新聞を発行。また日中友好のために、日本人たちに協力しながら日本人とは違った形で活動した。その韓の生きざまに迫るノンフィクション。

 まえがき

序章 帰国船は舞い戻ってきた
 一九四五年夏、一路故郷へ出発
 日本の敗戦を船上で聞く
 再び日本で

第一章 故郷を離れハルピンへ、そして日本へ
 貧しい中国東北での生まれ
 張作霖爆殺事件から「満洲国」建国へ
 ハルピン第一国民高等学校へ
 「満洲国留学生」として日本へ
 親切な日本の学友たち
 迫ってきた日本の敗北
 「満洲国政府」から帰国命令

第二章 焼け跡闇市時代の日本で
 混沌とした日本の敗戦直後
 焼け跡闇市の日本で
 毛沢東より人気があった介石
 国民党への失望
 新米記者誕生
 東京工業大学へ進学
 憂鬱な時代
 国民党、敗北へ

第三章 新中国誕生へ
 盛り上がる全学連運動
 中華人民共和国の誕生
 勝利に導いた寛大な解放軍精神
 進展する日中友好運動
 大陸派と台湾派に分かれた在日華僑たち
 「歌と踊り」で結束する華僑たち
 映画『白毛女』に感動
 恋人美津と結婚
 始まった日中友好運動
 秘密党員として活動

第四章 高まる華僑帰国運動
 祖国建設のために
 帰国の呼びかけに応えた学生たち
 祖国中国へ帰国する華僑たち
 国民党員の父は息子の帰国に反対した
 残留日本人たちの中国からの引き揚げ

第五章 廖承志との運命的な出会い
 帰国者を見送り舞鶴へ
 学生代表として中国天津へ
 運命を変えた廖承志の一言

第六章 「冬の時代」の日中関係
 華僑向け新聞の発刊準備
 『大地報』の創刊
 「李徳全旋風」巻き起こる
 廖承志との再会
 呉学文との出会い
 京劇の名優、梅蘭芳の来日
 梅蘭芳という男
 周恩来も気をつかった梅の日本公演
 台湾派が梅公演を妨害
 浮上した中ソ対立
 大陸帰りの日本人たちとの出会い

第七章 「文化大革命」前の古き良き日中時代
 憧れの作家、巴金が来日した
 川端康成と骨董談義
 映画スター趙丹との出会い
 趙丹『東京の休日』 高峰秀子との友情
 趙丹らの日本滞在報告
 今井正ら日本の映画人を回想
 六〇年安保闘争後の日本
 〈文革〉で消えた趙丹
 さまざまな訪日団
 〈日本の工業技術を中国へ伝えたい〉
 雑誌創刊の企画に横やり

第八章 「文化大革命」に翻弄される
 宮本顕治による招宴
 毛沢東、文化大革命を発動
 至るところに影響を及ぼした文革
 難産だった『日本工業技術』の創刊
 『大地報』の廃刊
 親族を訪ねて中国へ
 「スパイ」と疑われていた韓慶愈
 娘との再会

第九章 国交回復から文革終結へ
 電撃的なニクソン訪中発表
 「馬賊」も現れた日中国交回復前後
 キッシンジャー極秘訪中に馬賊も走る
 ついに日中国交回復なる
 周恩来、朱徳、毛沢東の死
 九月九日、毛沢東が死んだ
 中国の激変に翻弄される華僑たち

第一〇章 改革・開放体制へ
 新たな時代の始まり
 太極拳の楊名時を中国へ案内
 趙丹との懐かしい再会
 始まった中国との広告交流
 日中ビデオネットワークの設立
 中国広告では電通、博報堂をしのぐ
 『鉄腕アトム』が中国で大人気
 多士済々の人材がいた?! 向陽社
 新たな公益法人設立へ

終章 「もうひとつの昭和史」の扉
 韓との最初の出会い
 秘められた日中関係史

 あとがき
 解説[加藤千洋]
 関連年表

同じジャンルの本

このページのトップへ