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日系アメリカ移民 二つの帝国のはざまで
本体4,800円+税
ISBN 9784750340289
判型・ページ数 4-6・500ページ
出版年月日 2014/06/30

日系アメリカ移民 二つの帝国のはざまで

忘れられた記憶 1868-1945

戦前・戦間期の日本人移民・日系アメリカ人史の決定版

入江昭氏推薦!!

コスモポリタンのヴィジョンに焦がれ、太平洋に架かる懸け橋となりながらも、日本人移民・日系アメリカ人は国家の手から逃れることはできなかった。そう、まさにアメリカと日本という二つの国家から―。そのような困難な状況への対応のため、日本人移民たちは自らの経験を語る上で代替的な言説を発達させた。しかし、そこに一貫してみられた特異な移民の語りには、フロンティア、社会改革、家族制度の価値観、人種の純血性などの、実にアメリカ的な語彙が満ち溢れていたのである。非常に興味深い史料と考察によって満たされたこの精緻な研究に例示されているように、トランスナショナル(越境)史が現代史への創造的なアプローチの一つとして登場している状況は決して驚くべきものではないであろう。

―入江昭 ハーバード大学名誉教授

 

東栄一郎ペンシルベニア大准教授による、2005年度アメリカ学会清水博賞受賞作Between Two Empires: Race, History, and Transnationalism in Japanese America待望の日本版刊行!

アメリカへ渡った日本人移民・日系アメリカ人の新たな土地での歩みは、二つの国家のはざまで揺れ動いた複雑さに満ちたものだった。彼・彼女らの人種意識の形成、ナショナリズム、そして「歴史」に関する日米双方の厖大な史料をひもとき、従来語られてこなかった真の歩みを明らかにする。

出移民研究と地域研究の垣根を越え、新たなパラダイムを提示した画期的歴史書。

 

 日本語版刊行にあたって

序章 二つの帝国に挟まれた日本人移民のトランスナショナリズム


第一部 日系人社会の複合的起源

第一章 商業移民、植民者、そして労働者――初期日系アメリカ社会の不均質な起源


第二部 コミュニティの形成と分岐

第二章 移民集団の再形成――道徳的な市民性のトランスナショナルな構築
 日本人移民の指導者層とコミュニティの形成
 人種排斥運動のもとでの道徳改革

第三章 「在米同胞」――人種排斥とアメリカの「マイノリティ」の誕生
 排日運動と人種的従属
 一世の「ディアスポラ」――人種的従属からの逃避
 人種的分岐――アメリカのマイノリティと「アジアのリーダー」


第三部 先駆者と後継者

第四章 「民族発展の先駆者」――歴史の創造と人種的アイデンティティ
 一世パイオニア論と「民族発展」の思想
 歴史の策略と公的記憶の構築
 一世パイオニア論におけるトランスナショナルとローカル

第五章 世代をめぐる問題――将来に向けた二世の教育
 「第二世問題」への取り組み
 二世の心の薫陶

第六章 移民の国際主義の報い――祖先の国の二世
 一世の国際主義とヘリテージ学習
 争いの場――懸け橋概念の多様性
 祖先の国で暮らすよそ者たち


第四部 移民ナショナリズムの複雑さ

第七章 日本を助けることは自らを助けること――一世の愛国心の意味
 日本帝国への献金と物資的な援助
 「啓発運動」と「国民外交」
 日本へ向けた愛国主義からアメリカニズムへ

第八章 エスニック・ナショナリズムと人種をめぐる闘争――カリフォルニア州デルタ地域におけるエスニック集団間の関係
 エスニック集団間の軋轢の発生
 デルタ地域における人種と階級、ならびに日系人としてのアイデンティティ
 階級の無意識化としてのエスニック・ナショナリズム


終章 戦時の人種主義、国家主義、そして移民トランスナショナリズムの崩壊


 注
 おもな参照文献および史資料
 監訳者あとがき
 索引

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