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在日コリアンの戦後史
本体2,800円+税
ISBN 9784750339979
判型・ページ数 4-6・236ページ
出版年月日 2014/04/07

在日コリアンの戦後史

神戸の闇市を駆け抜けた文東建の見果てぬ夢

神戸・三ノ宮駅周辺には、かつて「国際マーケット」と呼ばれた闇市があった。在日コリアン・文東建はその創設に関わり、企業家として活躍する一方、朝鮮植民地時代の独立運動、さらに解放された新生祖国の建国運動にも携わった。戦後史を駆け抜けた人生を通して在日コリアンの戦後を描く力作。

 はじめに──国際マーケット跡から

第一章 建青兵庫の結成とその終焉

第一節 戦前の治安維持法違反での逮捕と投獄
   文東建の生い立ち/北神商業朝鮮人留学生会独立運動事件/文東建の朝鮮独立秘話

第二節 建青兵庫県本部の初代委員長に就任
   在日本朝鮮人連盟の結成/朝鮮建国促進青年同盟の結成/新朝鮮建設同盟の結成/朝連兵庫の結成/建青兵庫、結成への歩み/建青兵庫の結成/兵庫における建青と朝連/信託統治をめぐる対立/建青、朝連の経済的対立/帰還事業にまつわる利権の実態/朴烈の登場/朴烈の神戸講演/二つの講演会/朴烈講演会顛末/玄孝燮、建青委員長に就任/建青兵庫の民族教育/建青兵庫の活動/解放記念一周年慶祝大会/在日本朝鮮居留民団の結成/民団兵庫の結成/策士、文東建/六六年ぶりの発見/建青の思想/建青の派閥抗争

第三節 建青分裂と朝鮮民主統一同志会の結成
   南北分断と建青/南北分断と兵庫の朝鮮人/建青分裂と文東建最後の叫び/玄孝燮の建青除名処分と建青解散声明書/玄孝燮暗殺事件/阪神教育闘争と建青/金九暗殺とその波紋/朝鮮民主統一同志会の結成/民戦の結成/建青統一派の再建/民戦の路線転換/統一同志会の民戦加盟

第四節 民団との泥沼の法廷闘争
   大韓青年団の結成/大韓青年団兵庫県本部の発足/建青と大韓青年団の対立/建青ビルをめぐる紛争/泥沼の法廷闘争/抗争の再燃、そして終結へ


第二章 闇市と国際マーケット

第一節 闇市からの旅立ち
   戦後闇市の形成/神戸の闇市変遷/国際マーケットの形成/街の真ん中の豚小屋/ジャンジャン市場/都会の谷/闇市における違法活動/豚小屋でのヒロポン製造と北朝鮮の影/文東建に対する摘発騒動

第二節 在日コリアンの商業と組織
   在日本朝鮮人商工連合会本部の結成/朝連の商工業対策/商工連の祖国統一民主主義戦線の支持決議/朝鮮人商業経済会の結成/闇物資と朝鮮人/兵庫朝鮮人商工会の活動

第三節 文東建の商業理念
   在日商工人の経営理念・哲学/兵朝商の活動/朴正煕狙撃事件の衝撃と兵朝商/在日本朝鮮人信用組合の変遷/在日本朝鮮人商工連合会便覧の作成/商工連の総連加盟/北朝鮮と商工連/文東建の経済観念/在日の生活権擁護闘争/共産主義における民族問題/コミンフォルムの傘/在日朝鮮人運動の指導体系/文東建と日本社会/日本と朝鮮の友好のために


第三章 文東建の見果てぬ夢

第一節 総連における文東建の位置
   朝鮮画報/朝鮮画報の活動/朝鮮画報創刊一〇周年祝賀宴/朝鮮問題研究所と朝鮮研究所/朝鮮問題研究所の謀略/帰国事業と韓徳銖の実権掌握

第二節 頓挫した北朝鮮との合弁事業
   北朝鮮の在日商工人への対応/北朝鮮合弁事業の罠/合弁事業の挫折/北朝鮮の在日商工人への献金要請/朝鮮出版会館をめぐる不正融資疑惑

第三節 ラングーン・テロ事件と「東建愛国号」
  ビルマ、ラングーン・テロ事件/工作船「東建号」/工作員によるテロ作戦/ラングーン・テロ事件の不可解な闇/ラングーン・テロ事件の余波

第四節 グリコ・森永事件でのフレーム・アップ
   グリコ・森永事件の報道余波/反北朝鮮世論形成のスケープゴート

第五節 追いつめられた漁業貿易事業
  サケ・マス漁船だ捕事件/だ捕事件二カ月前/だ捕事件の背景/北の海域をめぐる暗闘/だ捕事件の結末/だ捕事件の余波/北朝鮮海域でのカニ漁摘発

第五節 高句麗復興に夢を託して
  高句麗文化展の神戸開催/文東建の見果てぬ夢/現代に甦る高句麗の栄光/その人となり


終章 文東建のDNA


 おわりに
 年表

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