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右傾化に打ち克つ新たな思想
本体2,400円+税
ISBN 9784750339917
判型・ページ数 4-6・264ページ
出版年月日 2014/03/28

右傾化に打ち克つ新たな思想

人間の尊厳に立脚した民主主義の発展を

改憲の動きや愛国主義強制、ヘイトスピーチ等、日本社会で高まる右傾化の潮流に「打ち克つ」思想とは? 近代思想史や第二次大戦後の日本の民主主義の流れを検証する中で、「他者の人間の尊厳に配慮し合う人間」を導く民主主義のあり方を構想する。

 まえがき

第Ⅰ部

第1章 「醜い日本人」から抜け出る道
 日本人の「先祖返り」
 日本人の「防衛機制(反応)」
 戦後世代に未来を約束する思想を作れなかった革新勢力
 日本人の「防衛機制」が限界に達している可能性がある
 「醜い日本人」から抜け出すための道(1)――「醜い日本人」を認めること
 「醜い日本人」から抜け出すための道(2)――戦前の日本国家が「前」近代国家であったことを認めること
 「醜い日本人」から抜け出すための道(3)――欧米人にも植民地支配を謝罪させるための思想を提起すること

第2章 全体主義的思考方法の克服
 全体主義的思考方法
 世界はまだ全体主義的思考方法を克服していない
 全体主義の思想的淵源――ルソーの一般意志
 一般意志は古代ギリシャの全体主義を招き寄せてしまった
 一般意志は前近代的要素を残す社会で全体主義社会を生む
 ホッブズ――人間の尊厳の発見者
 ロック――人権概念を人間の日常生活領域に具体化した人物
 福祉国家と人権概念の拡大

第3章 人間を起点とする社会哲学
 全体社会は存在しない
 人間の尊厳の普遍化――人間の尊厳を侵される側の論理
 基本的人権の普遍化
 平和の人権化
 「戦争ができる国家」はアンシャン・レジーム(旧制度)
 社会的権限の再配分
 社会契約説の普遍化――社会契約はすべての社会において結ばれる
 人権革命
 民主主義の本質規定と民主主義の発展
 自己犠牲を強要し合う社会の克服
 「社会が保障すべき人間の解放」と「個人に委ねられるべき人間の解放」

第4章 領土問題と「戦争ができる国家」
 領土問題は全体主義社会をもたらす可能性を持つ
 領土問題は戦争を招き寄せかねない
 「戦争ができる国家」を否定する論理が必要である
 国家は自衛権を持つか?
 現代の戦争と自衛権
 「戦争ができる国家」と国民の社会契約は更新できるか?
 領土問題を解決するための原則
 ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)はヨーロッパに「平和の枠組み」を与えた


第Ⅱ部

第5章 平和哲学の役割
 日本国民の求めた平和
 平和哲学は「ロゴス」を追究する
 民主主義の二大支柱――「民衆の支配」と「民衆の解放」
 「人権革命」と「平和のための革命」
 近代民主主義の認める基本的人権は狭すぎる
 「新」社会契約説
 社会的価値の再編成は基本的人権を通じて行われる
 平和は民主主義の変革をも要求する

第6章 人間の尊厳および人権概念の普遍化――日本国民の戦後の「感覚」が求める正義論
(1)日本国民の戦後の「感覚」と人間の尊厳
 日本国民の戦後の「感覚」は「人間の尊厳」という「言葉」で追究される
 「公理」としての人間の尊厳
 「人間の尊厳」の内容を求めて尊厳でない人間を生み出してはならない
 人間の尊厳は政治や法の世界で保障されないかぎり保障されない
 「人間の尊厳」は基本的人権で表される
 人権概念も普遍化されなくてはならない
 社会契約説も普遍化されなくてはならない
(2)「新」社会契約説
 「新」社会契約説の社会のとらえ方
 基本的人権の根拠
 基本的人権の定義と原則
 平和の人権化
(3)国家の限界と社会的権限の再配分
 社会の役割
 国家とその役割
 「戦争ができる国家」はアンシャン・レジームである
 基本的人権は国家の枠組みを突き抜く
 社会的権限の「最適配分」
(4)日本国民の戦後の「感覚」が求める正義論
 日本国民の戦後の「感覚」が求める正義
 既存の正義論は日本国民の戦後の「感覚」を満足させてはくれない

第7章 民主主義の発展と「近代の超克」
 民主主義の本質規定
 「民衆の解放」が「民衆の支配」の目的となる
 革命と民主主義との関係
 社会主義国型民主主義は「悪しき民主主義」だった
 人権革命と社会主義国型民主主義の敗北
 人権概念の発展が民主主義の発展をもたらす
 「新しい人権」と「新しい革命」
 「近代の超克」の再論議が必要だ
 近代を前近代から区別する要素
 近代を超克させるべき要素
 「人間の尊厳」の発見――社会哲学上のコペルニクス的転回
 「近代の超克」は民主主義の発展を通じてもたらされる
 近代を超克した社会における人間像
 わが国には「『前』近代の超克」も必要だ

 [付録]『日本国憲法改正私案』
 あとがき

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