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自己決定権をめぐる政治学
本体7,000円+税
ISBN 9784750339405
判型・ページ数 A5・392ページ
出版年月日 2013/12/20

自己決定権をめぐる政治学

デンマーク領グリーンランドにおける「対外的自治」

デンマーク領グリーンランドは、本土デンマークに依存しながら自治の度合いを高めていこうとする動きを示してきた。その独自な性格を、「中心‐周縁」という枠組みではなく、「対内的自治」と「対外的自治」という概念に依拠しながら分析する、斬新な論考。

序章
 1:自治論の前提――「中心」と「周縁」間の統合と分離のプロセス
 2:デンマーク領グリーンランドの自治――「中心‐周縁」関係を準拠枠としない「対外的自治」
 3:「デンマーク国家」と「本土デンマーク」の峻別

第1章 問題の背景
 1:問題の背景
  1-1:植民地、統合、「対外的自治」
  1-2:「本土デンマーク」からの経済支援
  1-3:中心命題
 2:本書の構成

第2章 分析視角
 1:先行研究
  1-1:「中心‐周縁」関係を準拠枠とする先行研究
  1-2:「デンマーク国家」の中のグリーンランド
 2:本書の視角
  2-1:先行研究の問題点
  2-2:分析視角
  2-3:留意点

第3章 「対外的自治」への希求――1979年「対内的自治」権の獲得とその前後
 はじめに
 1:EC加盟と「対内的自治」権の獲得――1970年代の議論を中心に
  1-1:1970年代初頭の政治環境
  1-2:「対内的自治」をめぐる議論
  1-3:「対内的自治」権の内実
 2:EC域外化――1980年代の議論を中心に
  2-1:変化の兆し
  2-2:EC域外化推進派と加盟継続派の接近
  2-3:EC域外化協定
  2-4:漁業協定
 3:「ペーパーフィッシュ」問題と政府一括補助金
  3-1:「ペーパーフィッシュ」問題
  3-2:グリーンランドの立ち位置
 4:グリーンランドとEC/EU――1990年代以降の議論を中心として
  4-1:EUの対応
  4-2:グリーンランドの意図
 おわりに

第4章 「対外的自治」権の獲得――2003年、イチリク宣言
 はじめに
 1:問題設定
 2:チューレ問題
  2-1:B-52爆撃機墜落問題――起点としてのデンマーク核政策
  2-2:1968年1月21日の事故
  2-3:1995年6月を境に見るチューレ問題
 3:チューレ問題と「対外的自治」の接続
  3-1:チューレ住民の強制移住問題
  3-2:「対外的自治」をめぐるグリーンランド、「本土デンマーク」
  3-3:新たな関係――防衛・安全保障分野に対する「対外的自治」
  3-4:チューレ空軍基地を取り巻く環境
 4:グリーンランドの「対外的自治」
 おわりに

第5章 「対外的自治」権の行使――2004年、イガリク協定
 はじめに
 1:ミサイル防衛論争――グリーンランドの「対外的自治」
  1-1:ミサイル防衛構想に対する反応
  1-2:親米の「本土デンマーク」
  1-3:基軸としての1951年防衛協定
  1-4:「対外的自治」とミサイル防衛論争
 2:イガリク協定締結へ
  2-1:転換の契機
  2-2:イガリク協定への「同意」
  2-3:イガリク協定とグリーンランド
  2-4:「1951年防衛協定の近代化」協定の真相
  2-5:自発的な「同意」
 おわりに――「三角関係」の未来像

第6章 「対外的自治」の顕示――2005年以降の北極利権問題と「デンマーク国家」
 はじめに
 1:大陸棚の帰属と北極利権問題
  1-1:「本土デンマーク」=グリーンランドによるイニシアティブ――「本土デンマーク」の規範的対応とグリーンランドの「対外的自治」のリンケージ
  1-2:地理的/法的位置
 2:「デンマーク国家」としてのイニシアティブ――グリーンランド・ダイアローグからイルリサット宣言へ
  2-1:端緒としてのグリーンランド・ダイアローグ
  2-2:2007年6月、スティ・ムラー演説
  2-3:「本土デンマーク」=グリーンランドのイニシアティブ
  2-4:北極海会議
  2-5:イルリサット宣言
  2-6:「デンマーク国家」としてのイニシアティブ
 3:「デンマーク国家」のイニシアティブとその背景――「本土デンマーク」の規範的対応とグリーンランドの「対外的自治」
 3-1:「本土デンマーク」の規範的対応
 3-2:グリーンランドの「対外的自治」
 おわりに

第7章 自治領から自立領へ――「対外的自治」を起点に法制化された2009年自立法
 はじめに
 1:1999年自立委員会の設置
 2:2004年自立委員会
 3:委員会、成果報告書
 4:自治領から自立領へ
  4-1:自己決定権を行使する能力を持つ国際法の主体
  4-2:非生物資源の所有権
  4-3:非生物資源の収益分配率
  4-4:グリーンランド語の公用語化
  4-5:独立権の承認
 5:「対内的自治」の拡大=「自立」
 おわりに――「法外な善意」と「好意的態度」

第8章 「法外な善意」の諸相
 はじめに
 1:「本土デンマーク」の政治文化
 2:もう一つの「本土デンマーク」
 3:唯一の反対派――デンマーク国民党の存在
 おわりに

終章
 1:まとめ・示唆
 2:「対内的自治」と今後の行方

 参考文献
 初出一覧
 本書に関連したフィールド調査
 あとがき
危機の時代の市民と政党
ニューミュニシパリズム
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