ISBN | 9784750339023 |
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判型・ページ数 | 4-6・320ページ |
出版年月日 | 2013/10/15 |
イタリアを知るための62章【第2版】
料理やアート、ファッションなどで日本でもすっかりお馴染みのイタリア。とはいえ、現在に至る歴史的背景や、地下経済、政治汚職、経済格差など多くの問題を抱える実情はどれだけ知られているだろうか。イタリアを様々な角度から理解するための格好の入門書。
【執筆者紹介】
芦田 淳(あしだ・じゅん)
国立国会図書館調査員
専攻:イタリア政治制度論
主な論文:「イタリアの対等な二院制下での立法過程をめぐる考察」(『北大法学論集』62巻6号、2012年)、「イタリアにおける選挙運動規制の現状とその問題点――テレビによる選挙運動を中心に」(『選挙研究』25巻1号、2009年)、「イタリア2005年選挙制度改革に対する一考察――『政権選択と選挙制度』の視点から」(『選挙学会紀要』9号、2007年)。
小原 耕一(おはら・こういち)
ジャーナリスト(元プラハ・ローマ常駐特派員)、翻訳、文筆家
専攻:イタリア近代思想史、グラムシ研究
主な訳書:アントニオ・ラブリオーラ『社会主義と哲学――ジョルジュ・ソレルへの書簡』(共訳、同時代社、2011年)、同『思想は空から降ってはこない――新訳・唯物史観概説』(共訳、同時代社、2010年)、アドリアーノ・ティルゲル『ホモ・ファーベル――西欧文明における労働観の歴史』(共訳、社会評論社、2009年)、アウレリオ・レプレ『囚われ人アントニオ・グラムシ』(共訳、青土社、2000年)。
佐藤 典子(さとう・のりこ)
ジャーナリスト(イタリア在住)
『しんぶん赤旗』などにイタリアの生活習慣、文化、社会をテーマに記事を執筆。
佐藤 康夫(さとう・やすお)
ジャーナリスト(1978年よりイタリア在住)
白崎 容子(しらさき・ようこ)
元慶應義塾大学文学部教授
専攻:イタリア語、イタリア文学
主な著書・訳書:ルイジ・ピランデッロ『カオス・シチリア物語――ピランデッロ短編集』(共訳、白水社、2012年)、マリオ・プラーツ『ローマ百景Ⅰ・Ⅱ』(共訳、ありな書房、2009・2006年)、『トスカ――イタリア的愛の結末』(ありな書房、2008年)。
高田 和文(たかだ・かずふみ)
静岡文化芸術大学副学長
専攻:イタリア演劇
主な著書:『まるごと覚えようNHKスタンダード40イタリア語』(日本放送出版協会、2000年)、『話すためのイタリア語』(白水社、1997年)、『イタリアの味わい方』(総合法令出版、共著、1996年)。
松田 博(まつだ・ひろし)
立命館大学名誉教授
専攻:イタリア近代思想史、グラムシ研究
主な著書・訳書:アントニオ・グラムシ『知識人とヘゲモニー――「知識人論ノート」注解』(編訳、明石書店、2013年)、同『歴史の周辺にて――「サバルタンノート」注解』(編訳、明石書店、2011年)、『グラムシ思想の探究――ヘゲモニー・陣地戦・サバルタン』(新泉社、2007年)、『グラムシ研究の新展開―グラムシ像刷新のために』(御茶の水書房、2003年)。
村上 義和(むらかみ・よしかず) ※著者プロフィールを参照
森川貞夫(もりかわ・さだお)
市民スポーツ&文化研究所代表、日本体育大学名誉教授
専攻:スポーツ社会学、スポーツ史、社会教育・生涯学習論
主な著書・訳書:『スポーツの世界地図』(監訳、丸善出版、2012年)、ヴィクトリア・デ・グラツィア『柔らかいファシズム』(共訳、有斐閣、1989年)、『必携 スポーツ部活動ハンドブック』(編著、大修館書店、1989年)、『必携 地域スポーツ活動入門』(編著、大修館書店、1987年)、『スポーツ社会学』(青木書店、1980年)。
森田 義之(もりた・よしゆき)
愛知県立芸術大学名誉教授
専攻:イタリア美術史
主な著書・訳書:エレーナ・カプレッティ『イタリア巨匠美術館』(監訳、西村書店、2011年)、ジーン・A・ブラッカー『ルネサンス都市フィレンツェ』(共訳、岩波書店、2011年)、ジョルジョ・スピーニ『ミケランジェロと政治――メディチに抵抗した“市民=芸術家”』(共訳、刀水書房、2003年)、ピーター・バーク『新版 イタリア・ルネサンスの文化と社会』(共訳、岩波書店、2000年)、『メディチ家』(講談社、1999年)、ジョルジョ・ヴァザーリ『ルネサンス彫刻家建築家列伝』(監訳、白水社、1989年)。
吉田 省三(よしだ・しょうぞう)
長崎大学経済学部教授
専攻:経済法、独占禁止法
主な論文:「イタリア2006年憲法修正国民投票と立憲主義」(『法の科学』39号、2008年)、「イタリア司法の特質 通常司法の自治の機関としての最高司法会議」(『経営と経済』88巻3号、2008年)、「イタリアの協同組合法制度について」(『農林中央金庫総合研究所・総研レポート』2007年)。
Ⅰ 歴史
第1章 エトルリア文明――古代ローマ以前に繁栄した最初の都市文明
第2章 ローマ文明――神話と歴史
第3章 ルネサンス――ヨーロッパ近代文明の誕生をうながす文化的復興運動
第4章 リソルジメント――近代国家の形成
第5章 教科書に見る「ファシズムの時代」(1)――ファシズムの成立から三国軍事同盟まで
第6章 教科書に見る「ファシズムの時代」(2)――レジスタンスとファシズムの崩壊
【コラム1】「偏向教科書」批判
第7章 憲法の歴史――イタリア統一から「第2共和制」への移行まで
第8章 直接民主主義――レフェレンダム
【コラム2】原発をめぐる国民投票
Ⅱ 政治と経済
第9章 国家と教会――コンコルダート
第10章 国の仕組み――立法・行政・司法
第11章 国と地方自治――分権をめぐる経緯と現状
第12章 選挙制度と政治改革――成熟した代議制民主主義をめざして
第13章 クリエンテリズモ――息の詰まる閉塞社会の悪弊
第14章 転換期の国内政治――ネット「民主主義」の波紋
【コラム3】新しい政治勢力「五つ星運動」
第15章 製造業のイタリア・モデルの危機と再編――ミクロ・小・中企業の危機対応能力
第16章 市場も民主主義も――協同組合運動の歴史
第17章 「混合経済」体制の転換と民営化――国家持株会社による経済への介入の役割と限界
第18章 南北の格差を縮小させた南部の経済発展――経済的格差と社会的格差
第19章 地下経済と脱税――社会を歪める不正の温床
Ⅲ 国際関係
第20章 「近代日本」と日伊交流――西洋文化の受容
第21章 国際政治――国際的多極化に揺れる対米追従「平和」路線
第22章 欧州の統合とイタリア――見果てぬ夢?
Ⅳ 自然と環境
第23章 地勢の概要――豊饒の大地、吼える大地
第24章 環境問題――進む国土の「セメント化」
第25章 防災・救援体制――進まない予防対策
Ⅴ 社会
第26章 増え続ける外国人、遅れる法整備――移民問題
第27章 住宅事情――格差社会の象徴
第28章 社会保障――年金制度改正
【コラム4】続く中小企業経営者の自殺
【コラム5】仕事を求め海外へ旅立つ若者たち
第29章 削減される保健医療費――医療状況
第30章 タブー・「神話」・偏見――イタリアの隠れた素顔
第31章 犯罪と犯罪組織――変容する「マフィア型」組織
第32章 イタリアの闇――未解決事件と体制機関
第33章 家族――揺れ動く「家族」像
第34章 家族の中の女性、社会の中の女性――イタリア女性の現実
【コラム6】被害者となる女性たち
【コラム7】宗教から解放されるカップルの形
Ⅵ 思想と教育
第35章 人文主義(ユマニスム)――ルネサンス文明の思想的前提をすえた知的文化的運動
第36章 マキァヴェッリ――「政治のアルテ(アート)」の思想家
第37章 ベッカリーア――「法の精神」を探究した思想家
第38章 クローチェ――世界文化に寄与した「俗界の法王」の葛藤と試練の半生
第39章 ラブリオーラ――「実践の哲学」を史的唯物論の核心ととらえた哲学者
第40章 グラムシ――「知のペシミズム、意志のオプティミズム」
第41章 モンテッソーリと幼児教育――平和主義・子どもの自発性の尊重
第42章 初等・中等教育――揺れ動く教育制度
第43章 大学改革――大衆化・高度化・効率化の要求に向けて
Ⅶ 文化と芸術
第44章 美術――ルネサンスを生み出した天才と名人芸の国
第45章 都市と建築――「都市は大きな家であり、家は小さな都市である」
第46章 伝統工芸と職人――グローバル化で揉まれる職人技術
第47章 科学者のあゆみ――中世から現代科学まで
第48章 文学(1)――黎明期からルネサンス、リソルジメントを経て20世紀へ
第49章 文学(2)――戦中・戦後から「多様さ」の現代へ
第50章 世界に広がるアニメ、マンガ文化――イタリアにおける日本サブカルチャー
第51章 音楽――マドリガーレからイタリアン・ポップスまで
第52章 演劇――現代に受け継がれる豊かな演劇文化
第53章 映画――マイノリティに向ける眼差し
【コラム8】国民が求めているテレビ番組
第54章 「メイド・イン・イタリー」――モードとデザインの歴史と現在
第55章 スポーツ――揺れるCONI体制
【コラム9】新たなるアソチアツィオニズモの推進と民主スポーツの発展
第56章 文化行政――貧すれば鈍する「文化」政策
Ⅷ 暮らしと習俗
第57章 祭り・記念行事――新たなアイデンティティ形成の場を求めて
第58章 冠婚葬祭――多様化・個別化が進む「人生の四季」
第59章 カトリックと他宗教――新法王の誕生と信仰の復権
第60章 習俗と習慣――人の世の「寄る辺」やいずこ
第61章 余暇――格差社会の「自由」時間
第62章 食生活事情――飽食・美食から自覚的消費者へ
イタリアを知るための参考文献
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