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子どもの貧困と教育機会の不平等
本体1,800円+税
ISBN 9784750338941
判型・ページ数 4-6・252ページ
出版年月日 2013/09/30

子どもの貧困と教育機会の不平等

就学援助・学校給食・母子家庭をめぐって

世界的にみても深刻な日本の現状を踏まえ、2013年6月、「子どもの貧困対策法」が成立した。本書では給食費未納問題、就学援助の現状など、主に教育費用と貧困問題について多角的に検証し、子どもの貧困削減のための政策を考える。

 図表一覧
 はじめに

第1章 給食費未納問題
 1 義務教育を受けるための費用
 2 学校給食費の未納状況
 3 学校が認識する主な原因
 4 保護者の経済的な問題と制度の認知状況
 5 保護者としての責任感や規範意識

第2章 就学援助の現状
 1 援助を受ける子どもの増加
 2 就業環境の変化とひとり親家庭の増加が二大要因
 3 母子世帯と他の世帯の所得分布
 4 母子家庭の増加とDV
 5 就学援助制度の内容
 6 生活保護と就学援助の関係
 7 就学援助の周知状況

第3章 就学援助運用の自治体格差
 1 国庫補助廃止による就学援助の抑制
 2 就学援助費の推移
 3 自治体の財政力と就学援助
 4 自治体の人口規模と運用の差
 5 就学援助と生活保護の運用
 6 就学への支援におけるナショナル・ミニマム

第4章 現物給付としての学校給食の意義
 1 学校給食の歩み
 2 公立中学校における給食実施状況
 3 完全給食のない公立中学校における問題点
 4 子どもの食のセーフティネット
 5 現物給付の必要性

第5章 高校版就学援助の必要性――卒業クライシス問題
 1 学費滞納と卒業
 2 経済的理由による高校中退の現状
 3 東京に暮らす若者の学歴別就業状況
 4 高校授業料無償化法の成立
 5 高校卒業までの学習条件整備の必要性
 6 長期欠席の状況
 7 高まる高校版就学援助の必要性

第6章 母子家庭の母にとってのパートタイム労働
 1 母子家庭の母の職種と年間収入
 2 パートタイム労働者の増加・基幹化
 3 パートタイム労働者の社会保険加入状況
 4 パートタイム労働者への社会保険適用問題の経緯
 5 不安定就労の増加に対応した制度の必要性
 6 厚生年金の「空洞化」と第3号被保険者制度
 7 均等待遇の必要性
 8 世論調査の結果とパートタイム労働者の意識
 9 母子家庭の母にとってのパートタイム労働
 補論1 パートタイム労働者の第3号被保険者問題と労働市場の中立性
 補論2 厚生年金適用拡大の経済的影響と今後の課題

第7章 災害と子どもの貧困――災害時における子どもへの支援
 1 避難の状況
 2 母子避難者の要望
 3 災害救助法上の子どもの扱い
 4 乳幼児・子どもの居住環境のモニタリング
 5 子ども・乳幼児の避難支援とコミュニティの維持
 6 母子避難者の生活への支援
 7 災害と子どもへの支援

第8章 子どもの貧困削減のための政策を考える
 1 子どもの権利条約の理念の実現
 2 子どものための給付のあり方
 3 シビル・ミニマムの確保
 4 排除なく、すべての子どもに高校卒業を
 5 ニーズに合った適切な情報提供
 6 関係者間の連携、情報の共有
 7 子どもの貧困削減のための政策に向けて

第9章 議員立法による弱者の人権の確立――子どもの貧困対策法
 1 議員立法による子どもの貧困対策法の成立
 2 近年における議員立法の状況
 3 成立する議員立法の条件
 4 議員立法の意義
 5 議員立法の課題
 6 議員立法を支える人材
 補論 DV防止法における議員立法の特質

 付録1 子どもの貧困対策の推進に関する法律と与党案(衆第二〇号)・野党案(衆第一九号)との比較
 付録2 子ども・子育て関連三法案の国会審議における意見陳述、質疑および資料
 付録3 子どもの権利条約(日本ユニセフ協会訳)
 参考文献

 解説
 あとがき

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