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公務員バッシングの研究
本体4,800円+税
ISBN 9784750338477
判型・ページ数 A5・640ページ
出版年月日 2013/07/25

公務員バッシングの研究

Sacrifice〈生け贄〉としての官

「公務員バッシング」を定義し、公務員バッシングが起こるプロセスを明確にする。そこではバッシングが起こるのは格差社会が深く関わっていることがあきらかになる、そして最後に、「公務員(あるいは官僚)のあるべき姿」のビジョンを描く。

序章 「公務員バッシング」を分析する枠組み
  1.公務員バッシングに関する先行研究
  2.3つの目的に向けて本書が提示する仮説
  3.本書の構成
  4.「公務員」の定義と公務員バッシングの考察対象期間

第1章 公務員に対する批判を構成する要素
 第1節 公務員を批判する主体
  1.公務員を批判する主体を分析する視点
  2.マスコミと公務員批判
  3.国民の公務員に対する厳しい態度
  4.公務員から離れたところにいる様々な批判主体
  5.公務員内部からの公務員批判
  6.公務員バッシングを構造的で意図的な仕組みととらえる立場
 第2節 公務員批判の対象とその中身
  1.公務員個々人に対する批判
  (1)公務員のモラル面に対する批判
  (2)個々の公務員の労働実態に対する批判
  (3)公務員の日常生活に対する批判
  2.公務員を集団としてとらえた場合の公務員批判
  (1)採用
  (2)公務員の人事管理の基礎――任用について
  (3)給与についての批判
  (4)人事評価
  (5)労働時間・休暇制度
  (6)能率(能力開発)
  (7)身分保障
  (8)労使関係
  (9)退職管理(退職金の水準を含む)の異質性について
  (10)福利厚生の官民乖離について
  3.批判される公務員の範囲の拡大
  4.官公庁の動向と公務員を関連づけて批判するケースについて

第2章 「公務員批判」から「公務員バッシング」への変化
 第1節 公務員批判と公務員バッシングを分かつ基準は何か?
  1.公務員批判から公務員バッシングへの変化の特徴
  2.いつくらいから公務員批判からバッシングへと形を変えていったのか?
  3.天下りに対する国民意識から推測される公務員批判の背景
 第2節 公務員自身の公務員バッシングに対する反応
  1.辞職者数・病休者数・死亡者数
  2.キャリア官僚の問題意識
 第3節 公務員制度改革から読み解く「公務員批判」と「公務員バッシング」の違い
  1.戦後の公務員制度改革の流れと「不磨の大典」
  2.公務員制度改革をめぐる動きから導かれる考察
  3.公務員制度改革大綱等から分析する公務員制度改革の難しさ
  (1)迷走した公務員制度改革の背後にあるコンセンサスの欠如
  (2)青写真としての公務員制度改革大綱の欠落性
  4.安倍内閣・福田内閣・麻生内閣・鳩山内閣での公務員制度改革
  5.地方公務員レベルでの対応
 第4節 公務員予備軍の反応から読み解く「公務員批判」と「公務員バッシング」の違い
  1.公務員志望者数の推移および雇用失業情勢との関連
  2.公務員の志望動機
  3.志望動機に影響を与える様々な要因

第3章 公務員バッシングの背景
 第1節 公務員バッシングの直接的な要因
  1.1990年代後半以降の公務員不祥事の特徴
  2.国民の公務員倫理に対する考え方の変化
 第2節 官民乖離を招いた経済社会状況の変化
  1.経済状況の悪化
  2.貧困層の増大とセイフティーネットの問題点の露呈
  3.官民の労働条件乖離に対する公務員側の無自覚
 第3節 行政側の要因
  1.成果・業績とは何か?
  2.官僚主導体制の呪縛
  3.官公庁の存在そのものが経済成長を妨げているという批判
 第4節 経済社会の不安定化と公務員の安定感
  1.格差社会の到来
  2.格差是正に明確なコンセンサスを築けない日本社会
  3.個々人ベースでの格差是正の考え方の相違について
 第5節 公務員バッシングが生じるプロセス
  1.4つの要因はどのように関連し合って公務員バッシングを導いたか?
  2.「公務員は自分たちの生活に何らかの影響を与えている」という感覚はなぜ生み出されたのか?
  3.既得権益者の中心としての公務員

第4章 具体的な批判活動に結びつかない消極的公務員バッシング
 第1節 公務員バッシングと他のバッシングとの比較について
  1.バッシングを分析するためのフレームワーク
  2.バッシング対象による影響度の違いについて
  3.医療バッシングと比較した公務員バッシングの特徴
 第2節 公務員バッシングの特徴とその持続性についての疑問
  1.なぜマスコミ主体の公務員バッシングは長期間続いたのか?
  2.なぜ公務員バッシングは実害が少なかったのか?
  3.なぜ国民はマスコミによる長期間の公務員バッシングを受容し続けたのか?

第5章 政官関係の変化と政治の意図
 第1節 これまでの政官関係に関する先行研究の整理
  1.時期別に見た政官の優位
  2.政官が具体的に誰を指すのか?
  3.何をもってして優位とするのかなど「政官の優劣」の中身の曖昧さ
 第2節 政官関係を取り巻く枠組みの大きな変化
  1.政官を取り巻く環境が大きく変化する1990年代半ば以降の時代
  2.官僚機構を追いつめていった行政改革の流れ
  3.政治主導と官僚内閣制
  4.政策形成過程とマスコミという場で優位に立ちだした政治
  (1)政治側からの官僚に対する攻撃
  (2)官僚機構の様々な骨抜き策と官僚の抵抗という神話
  (3)政官関係の最終局面と政治の官僚機構への責任転嫁

第6章 公務員はなぜ公務員バッシングに反論しないのか?
 第1節 公務員が公務員バッシングに効果的に対応できない現実
  1.様々なレベルで考えられる公務員バッシングへの対応
  2.統一的な対応ができない公務員セクター
 第2節 多様すぎて一体化できない公務員
  1.様々な分裂要素
  2.公務員という職業の求心力
  (1)「全体の奉仕者」としての一体感は存在したのか?
  (2)キャリア官僚を頂点とするヒエラルキー意識は存在したか?
  3.一国民としての公務部門への疑問と批判

第7章 公務員のあるべき姿と現実のギャップから測る公務員バッシングの真実
 第1節 公務員像の変化をとらえる枠組み
 第2節 それぞれの目線から見た抽象的な公務員像
  1.有権者(主権者)から見た公務員像
  2.納税者から見た公務員像
  3.消費者から見た公務員像
  4.労働者から見た公務員の理想像と現実
  5.求職者から見た公務員像
  6.抽象的視点から見て矛盾する公務員像について
 第3節 個々人の立場に応じて具体的な公務員像は大きく異なる
  1.立場によって異なる公務員像
  2.公務員とは誰かについて定まった見方がない
 第4節 公務員像が大きく混乱した要因は何か?
  1.公務員像を大きく混乱させた枠組み
  2.戦後日本人の政府観について
  3.曖昧な政府観を支えた3つの条件

終章 公務員バッシングの本質
  1.公務員バッシングとは何か?
  2.公務員バッシングが引き起こされたプロセス
  3.国民が描く「公務員のあるべき姿」
  4.今後の研究課題

 あとがき
 参考文献

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