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婦人保護施設と売春・貧困・DV問題
本体2,600円+税
ISBN 9784750338378
判型・ページ数 4-6・356ページ
出版年月日 2013/07/01

婦人保護施設と売春・貧困・DV問題

女性支援の変遷と新たな展開

「売春婦」の更生と保護を目的に発足した婦人保護施設は時代の変遷とともにDV被害者を支援する役割も担い今日に至る。だが入所者が少なく、施設の存在意義が問われてきた。施設が再構築されてこなかったのはなぜか。婦人保護施設を多面的に検討した初めての本。

 

【執筆者一覧】

相楽 友(さがら・とも)
いこいの家支援員。2004年、千葉大学教育学部生涯教育課程卒業。2006年、立教大学コミュニティ福祉学研究科社会福祉学専攻博士前期課修了後、婦人保護施設いこいの家に入職、現在に至る。主な論文に、「売春防止法研究の展開と課題」『コミュニティ福祉学研究科紀要』3号(立教大学コミュニティ福祉学研究科、2005年)、「婦人保護事業における『要保護女子』規定の再検討」(2005年度立教大学コミュニティ福祉学研究科修士論文)。

河野 ひとみ(かわの・ひとみ)
大阪府立女性自立支援センター施設長。1980年、日本福祉大学社会福祉学部卒業後、社会福祉法人大阪府社会福祉事業団に入職。1997年婦人保護施設大阪府立女性自立支援センターに配属。2006年、指定管理による運営移管により、社会福祉法人四天王寺福祉事業団に移籍。2007年施設長に就任、現在に至る。

丸山 里美(まるやま・さとみ)
立命館大学産業社会学部准教授。京都大学大学院文学研究科博士課程単位認定退学。博士(文学)。専攻は社会学。現在、主な著書に、『女性ホームレスとして生きる――貧困と排除の社会学』(世界思想社、2013年)などがある。

島﨑 裕子(しまざき・ゆうこ)
日本学術振興会特別研究員。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了(博士・学術)。早稲田大学アジア太平洋研究センター助手を経て、現職。主な著書に「アジア地域連携に見る人の移動と人身取引――メコン河流域諸国に着目して」浦田秀次郎・金ゼンマ編『グローバリゼーショとアジア地域統合』(勁草書房、2011年)など。

桑島 薫(くわじま・かおる)
東京大学大学院総合文化研究科学術研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(博士・学術)。専攻は文化人類学。主な著書に、「プロセスとしての『自己決定』」『超域文化科学紀要』(東京大学大学院総合文化研究科、2011年)、「ドメスティックへと囲い込む暴力――日本のDV被害者支援の現場から」風間計博他編『共在の論理と倫理――家族・民・まなざしの人類学』(はる書房、2012年、共著)など。

 まえがき

第1章 社会福祉施設としての婦人保護施設の現実――その概要と実態(宮本節子)
 第1節 婦人保護施設の源流
 第2節 婦人保護施設の社会福祉施設としての特質
 第3節 売春防止法の女性観、DV防止法の女性観

第2章 差別、貧困、暴力被害、性の当事者性――東京都5施設の実態調査から(宮本節子)
 第1節 婦人保護施設を利用する女性たちの群像
 第2節 婦人保護施設職員の性の当事者性という課題

第3章 「かにた物語」――空前絶後の成功と失敗(須藤八千代)
 はじめに
 1 婦人保護施設 かにた婦人の村
 2 コロニーというビジョン
 3 婦人保護施設運営の25年史
 4 売春という言説とかにた婦人の村
 おわりに――空前絶後の成功と失敗

第4章 婦人保護施設で働く「ひと」――田口道子と横田千代子(須藤八千代)
 その1 いこいの家 田口道子
 その2 いずみ寮施設長 横田千代子

第5章 人は変われる――東京・いこいの家から:障がい者施策の活用を中心に(相楽友)
 はじめに
 私の婦人保護事業研究――女性を取り巻く「暴力」をめぐって
 いこいの家へ――私が「変われた」日々
 女性たちの実際といこいの家のミッション
 障がいがある女性たちへの支援
 自らの変化を語る女性たち
 障がい認知の重要性――新たな貧困と暴力被害の実態から
 支援の専門性への一提言
 おわりに

第6章 婦人保護施設の今――大阪府立女性自立支援センターからの報告(河野ひとみ)
 はじめに
 1 大阪府における婦人保護施設
 2 事例紹介
 3 退所者自立支援事業(アフターケア)
 4 指定管理
 5 一時保護委託施設として
 6 施設は今
 おわりに

第7章 貧困の広がりと婦人保護施設の役割――増加する女性ホームレスの入所とその背景(丸山里美)
 はじめに
 1 「ホームレス」の広がり
 2 婦人保護施設の位置づけ
 3 東京の女性施設の利用者
 4 入所率の低い婦人保護施設
 5 婦人保護施設の役割とは

第8章 人身取引被害者と日本社会――送り出し国と受け入れ国を結ぶもの(島﨑裕子)
 はじめに
 1 人身取引とは
 2 送り出し国における被害者の社会環境――カンボジア人被害女性を事例に
 3 日本における人身取引
 4 結びに―点認識から線認識へとつなげるために

第9章 女性の保護空間の再創造に向けた一考察――駆込寺、シェルター、婦人保護施設を手がかりに(桑島薫)
 1 「保護」のことばの由来
 2 社会的保護空間としての駆込寺
 3 社会的保護空間と権力との対立――駆込寺とシェルターの対比
 4 保護空間から排除空間へ――「逸脱のヘテロトピア」としての婦人保護施設
 5 民間シェルターと婦人保護事業との接合による保護概念の曖昧化
 6 女性の保護空間の再創造

 あとがき

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