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芸能入門・考
本体1,800円+税
ISBN 9784750338019
判型・ページ数 4-6・272ページ
出版年月日 2013/04/25

芸能入門・考

芸に生きる

社会の最底辺で厳しい差別を受けながらも、それを逆手にとって民衆の生活に豊かな潤いを作りだしてきた日本の芸能。猿楽能、大道芸、放浪芸など、生活と労働に根差した芸能の原初の姿を追い求めて全国各地を歩き、その根源に迫る。

 まえがき(土方鉄)

第一章 民衆の芸能をたずねて(小沢昭一)
 大道芸人のメッカ、大津
 芸能の源を探る
 全国各地を歩いて
 才蔵役苦心談
 「猿まわし」復活

第二章 芸能の底流(土方鉄)
 その1──夢で見てさえよいとや申す
 その2──飴色の四ッ竹も虫くいとなり
 その3──早くいにたい巡礼橋こえて
 その4──雪もちらつくし子も泣くし
 その5──ほんまに歌うことが好きですねん
 その6──念仏くどきにのせまして
 その7──役者・川浪正二郎のこと

第三章 差別と大衆文化──中世賤民文化の遺産をうけつぐもの(土方鉄)
 放浪芸の祖・乞食者
 太郎冠者からの視線
 弱者へのいたぶりを笑う
 すさまじい説経のドラマ
 現代芸能の堕落
 大衆文化の核に賤民の伝統を

第四章 芸能と被差別(小沢昭一・菅孝行)
 芸能者の営業原理を考えてみたい
 ストリップのお姉さんは芸能の原点に立つ
 “新玄人”像を作りたい
 被差別をバネにしたエネルギー
 変わる芸能者の条件
 滅びつつある諸芸能
 権力と民衆の間で
 被差別者が作ってきた日本文化
 天皇制の根っこを掘り崩す

第五章 芸人バンザイ(小沢昭一・土方鉄)
 芸能史をたどるための重し
 九州の役者村
 意欲的な世襲を考えてみたい
 好きにならざるをえなかったということ
 放浪芸人の知恵
 大道芸をいまに生かすために
 芸にまつわるつらい記憶
 価値観から変える
 桑名太神楽を迎える土壌
 アイヌ文化はいま
 芝居小屋と客
 カブキものの精神を鑑に

 あとがき(小沢昭一)
 初出一覧