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英国の社会的養護の歴史
本体4,000円+税
ISBN 9784750338101
判型・ページ数 4-6・336ページ
出版年月日 2013/04/20

英国の社会的養護の歴史

子どもの最善の利益を保障する理念・施策の現代化のために

国家は社会的養護を受けざるをえない子どもを国家・社会としてどのように育成し、彼らに何を期待するのであろうか。本書は、英国の戦後の施策実務を丹念に検証し、その施策理念を明らかにするとともに、日本の向かうべき方向性や改革努力への視座を提供する。


 まえがき

序章 社会的養護現代化の展開・現状と基本施策理念
 【本章を読むために】
 はじめに
 1 施策史要─第二次世界大戦後から今日までの社会的養護施策動向
 2 イギリスの社会的養護の現況と里親委託・施設委託
 (1)社会的養護委託の現況
 (2)社会的養護としての里親委託制度の概要
 (3)養護委託選択肢としての施設(児童ホーム)委託の現状
 3 21世紀児童社会サービス改革と社会的養護施策
 (1)児童社会サービス現代化と社会的養護施策─クオリティ・プロテクツ計画
 (2)児童社会サービス改革=Every Child Matters計画と2004年児童法
 (3)ケアを離れる(た)若者(ケアリーヴァー:CL)への支援制度・実践
 (4)2002年養護委託児養子縁組促進法(Adoption and Children Act, 2002)
 (5)Care Matters改革――2008年(養護委託)児童青少年法
 むすび――社会的養護施策理念としての社会的共同親/業(CP)


第Ⅰ部 英国で社会的養護の現代化の動きがなぜ起こったのか

第1章 スキャンダル検証と改善努力
 【本章を読むために】
 はじめに
 1 英国における児童虐待スキャンダル
 (1)デニス・オニール事件とモンクトン報告
 (2)マリア・コルウエル事件とフィールドフィッシャー報告
 (3)クリーブランド事件とバトラースロス報告
 2 スキナ事件とブリジ児童ケア・コンサルタンシ・サービス報告
 (1)ブリジ児童ケア・コンサルタンシ・サービスによる事件調査
 (2)ブリジCCCSによる事件調査報告の特徴
 3 施設ケアにおけるスキャンダル
 (1)スタフォードシャー県児童ホームにおけるピンダウン事件
 (2)ピンダウンに関するリーヴィ/カーハン報告
 むすび

第2章 監査制度改革と子どもの意見表明
 【本章を読むために】
 はじめに
 1 保健省社会ケア局社会福祉監査部(SSI)の構造と役割
 2 地方自治体社会福祉部の社会福祉監査の基本構造
 (1)地方自治体社会福祉部における社会福祉監査ユニットの機能と組織特性
 (2)地方自治体社会福祉監査ユニットのインスペクター(社会福祉監査主事 inspectors)
 3 社会福祉監査ユニットによる児童福祉施設監査の過程/内容・特質
 (1)社会福祉監査ユニットによる児童福祉施設監査の過程
 (2)市民監査ボランティアおよび監査報告書の公開/開示
 4 児童福祉施設監査における子どもの意見表明とその意義
 (1)入所児童の意見表明の意義
 (2)入所児童の意見表明を促進する施策/実務
 (3)不当処遇申し立て手続きの監査
 (4)独立訪問員・地方議員による非公式監査訪問
 むすび

第3章 当事者主権と養護児童の声運動
 【本章を読むために】
 はじめに
 1 英国における「養護児童の声」運動の成立と発展
 2 英国の社会的養護改革における「養護児童の声」運動の影響
 3 専門雑誌が報道する全国養護児童協会の諸活動
 4 全国養護児童協会の91年度全国年次集会

第4章 施設型社会的養護の危機と施策再検討
 【本章を読むために】
 はじめに 
 1 第二次世界大戦後以降における施設型社会的養護の位置づけ
 2 サッチャー時代の社会的養護施策と施設型社会的養護
 3 スタフォードシャー県児童ホームにおけるピンダウン事件
 4 施設型社会的養護に関するアッティング報告の結論と勧告
 むすび


第Ⅱ部 社会的養護現代化への道程

第5章 社会的養護改造計画と社会的共同親理念
 【本章を読むために】
 はじめに
 1 クオリティ・プロテクツ計画の背景――18年間の保守政権による社会的養護委託施策の失敗
 2 「社会福祉現代化」とクオリティ・プロテクツ(児童福祉改造3年)計画
 3 クオリティ・プロテクツ計画と連動する諸施策
 4 クオリティ・プロテクツ計画3年間の評価とその延長
 5 クオリティ・プロテクツ計画と「社会的共同親」理念
 (1)英国保健省社会ケア局の関連文書に見られる「社会的共同親」
 (2)その他の公的施策文書に見られる「社会的共同親」
 (3)QP計画上級施策調整官の「社会的共同親」説明
 むすび

第6章 エヴリ・チャイルド・マターズ計画の進展
 【本章を読むために】
 はじめに
 1 Every Child Matters計画の背景――ヴィクトリア・クリムビエ事件とラミング報告
 2 政府緑書Every Child Matters, ECM『児童一人ひとりがかけがえのない存在である――児童社会サービス大改造構想』
 3 2004年児童法の概要
 4 児童トラスト(Children's Trust)と地方自治体児童サービス部
 (1)児童トラストとは何か
 (2)地方自治体児童サービス部の構造と機能
 5 社会的養護委託選択肢としての養子縁組の制度改革と2002年養子縁組・児童法(Adoption and Children Act, 2002)
 (1)ブレア政権の養子縁組改革
 (2)養子縁組関連法規
 (3)2000年ケア基準法に基づく国家養子縁組最低基準
 むすび


補遺Ⅰ・Ⅱ
 【補遺を読むために】

補遺Ⅰ 社会的養護への入口防止策 ライフチャンス保障実験――シュアスタート施策を素材に
 1 ニューレイバー(新労働党政権)の児童(・家族)施策の背景と理念
 2 ニューレイバー社会政策の輝く象徴――シュアスタート
 (1)シュアスタートの起源と概要
 (2)シュアスタートの成果測定
 (3)シュアスタート成果の発展的継承─児童センター普遍化からECMへ
 3 全児童のライフチャンス保障のためのガバナンス統合――Every Child Matters施策へ
 (1)ニューレイバーの児童社会サービス現代化と社会的養護施策─クオリティ・プロテクツ(QP)計画
 (2)児童社会サービス改革=Every Child Matters計画と2004年児童法
 (3)Care Matters改革――2008年児童青少年法
 むすび─ライフチャンス保障の施策理念と社会的共同親/業(CP)

補遺Ⅱ 社会的養護を離れた(る)若者への大人期移行支援
 はじめに 295
 1 ケアリーヴァー施策の位置づけ
 2 リーヴィングケア支援の基盤制度
 3 ケアリーヴァーの住居保障とライフチャンス
 4 支援下宿制度とは何か
 むすび

あとがきとして――英国の教訓から学ぶ日本における社会的養護発想転換への視座
 はじめに――日本における子ども・家族・国家の関係
 戦後英国における子ども・家族・国家の関係と社会的養護施策
 英豪における「からのゆりかご」問題と国家による子ども・家族の濫用
 「ゆりかごをからにできない」理由と社会的養護施策・児童移民問題
 戦後児童移民スキャンダルが社会的養護施策へ与えた影響と教訓――ある仮説
 子ども・家族・国家の関係――社会的養護の施策理念:社会的共同親業
 謝辞


 初出一覧
 著者紹介

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