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「職業教育」はなぜ根づかないのか
本体2,800円+税
ISBN 9784750337753
判型・ページ数 4-6・260ページ
出版年月日 2013/03/15

「職業教育」はなぜ根づかないのか

憲法・教育法のなかの職業・労働疎外

学卒者の就職難が深刻化し、キャリア教育、職業教育の推進が唱えられている。しかし、これまで教育には疑いを持たなかった人も、職業教育は敬遠してきたのではないか。今こそ憲法にかかれてはいない労働による個人の自立、そのための職業教育が求められている。

 まえがき

承前 教育問題の本質
 はじめに――「教育」問題の始まり
 1 「教育と労働との密接な無関係」の日本
 2 「教育」と技術・技能の修得は相反する営みである
 3 日本語の「職業」概念の曖昧さ
 4 「教育と勤労との密接な関係」の今日
 5 「教育」性善説に虜まれた日本人
 6 「托教育」させられている日本人
 補 「教育」を批判・忌避した三賢人――福沢諭吉・鈴木安蔵・永六輔
 おわりに――「教育」では労働・職業は尊重されない

過失一 「教育勅語」の容認
 1 生きていた「教育勅語」
 2 「教育勅語」観での「日本国憲法」の審議
 3 「教育勅語」観での「教育基本法」の制定
 4 「教育」使用の問題
 補 文部省改革の未完

過失二 学問と職業の分離
 1 マッカーサー草案改編による分離
 2 職業分離の学問観
 3 「職業選択の自由」権の問題

過失三 「教育を受ける権利」の妄信
 はじめに
 1 「教育を受ける権利」の規定過程
 2 国体擁護者による「教育を受ける権利」の支持
 3 佐々木惣一の「教育を受ける権利」への疑問
 4 堀尾輝久の「教育を受ける権利」の誤解
 5 日本的精神としての「教育を受ける権利」
 6 「教育を受ける権利」の派生問題

過失四 「普通教育」の信奉
 はじめに
 1 「日本国憲法」と教育関係法における「普通教育」の規定
 2 「普通教育」浸透の背景と性格
 3 フンボルト一般陶冶論の誤解
 4 『理事功程』における初出と『回覧実記』における普及
 5 語源としてのフルベッキの“Popular Education”
 6 「民衆教育」使用不可能の理由
 補 国際規程にない「普通教育」

過失五 「平等」という個性無視
 はじめに
 1 教育による集団意識の形成
 2 個性尊重の意味
 3 「教育」による個性の無視
 4 人の単純化・標準化
 5 個別化の“教育”実践
 おわりに

過失六 「勤労」観の尊重
 はじめに
 1 “Work”を「勤労」と意訳した「日本国憲法」
 2 日本的精神としての「勤労の義務」
 3 学校における「勤労の尊重」の始まり
 4 「勤労を重んじる教育」の意味
 5 日本的「教育」好みと「訓練」嫌い

過失七 「教育基本法」の矮小化
 はじめに
 1 日本的精神が結実した「教育基本法」
 2 GHQの提言を無視した教育目的
 3 「社会教育」条文規定の目論見
 4 「勤労の場所における教育」を報告してないGHQ
 5 「勤労の場所における教育」を否認した文部省
 6 「教育基本法」による教育改革の不能

過失八 「働くこと」の御題目化
 はじめに
 1 労働陶冶論のわが国での紹介
 2 「教育基本法」の「勤労の尊重」
 3 「学校教育法」の「勤労の尊重」
 4 「児童憲章」の自家撞着
 5 戦後初期の「働くための学習」論
 補 国際的な「労働」と“Education”の関係
 おわりに

過失九 日本的雇用管理の後援
 はじめに
 1 教育による「労働」概念の日本的形成
 2 経済成長による思考停止
 3 大企業への「就社」志向醸成
 4 「重ね餅システム」の構築支援

過失容疑 「キャリア教育」への幻想
 はじめに
 1 「キャリア」とは何か?
 2 「キャリア教育」は“Career Education”ではない!
 3 「キャリア教育」は職業教育を疎外する!
 4 「キャリア教育」は教育を混乱させる!
 5 「キャリア教育」を受けることは権利になるのか?

改革試論 「働く」ための学習権の確立
 はじめに
 1 「働く」ことの意義
 2 教育領域の整理
 3 「日本国憲法」人権条項の改革案
 4 人権としての「職育学」

 参考文献
 あとがき


 余話1 “学校焼き討ち”暴動を軍隊が鎮圧した
 余話2 「勉強」は「勉教」だった
 余話3 「教育」が適切な営みは企業内教育であり、適切な英訳は“Production”だ
 余話4 「授業」とは「業を授けること」、「学ぶ」とは「まねること」だ
 余話5 「日本国憲法」の義務には三つの意味がある
 余話6 「不戦条約」の批准拒否理由は「人民」の言葉にあった
 余話7 個性尊重では「区別しなければ差別になる」
 余話8 「勤労感謝の日」は三重の誤魔化しである
 余話9 イギリスでなぜ教育雇用省が設立されたか?
 余話10 フランスの「教育基本法」は「能力開発方針法」だ
 余話11 生涯学習とは労働者の職業能力開発の問題である
 余話12 徒弟制度は封建的か?
 余話13 若者と高齢者両者の雇用=人間形成に有効なSAYYESを!