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言語と貧困
本体4,200円+税
ISBN 9784750336466
判型・ページ数 A5・268ページ
出版年月日 2012/08/10

言語と貧困

負の連鎖の中で生きる世界の言語的マイノリティ

移民や少数言語話者など、その土地で優勢な言語を満足に使うことができないために教育や就業の機会を奪われ、結果として貧困に陥ってしまう人びとの問題を、世界各地の例を挙げて紹介し、さらにその負の連鎖を断ち切るための道を探る。

 

執筆者一覧

石原忠佳(いしはら・ただよし)
井上恵子(いのうえ・けいこ)
岡戸浩子(おかど・ひろこ)
柿原武史(かきはら・たけし)
カレイラ松崎順子(かれいら・まつざき・じゅんこ)
河原俊昭(かわはら・としあき)
江田優子ペギー(こうだ・ゆうこ・ぺぎー)
近藤功(こんどう・いさお)
杉野俊子(すぎの・としこ)
砂野幸稔(すなの・ゆきとし)
田中富士美(たなか・ふじみ)
八田洋子(はった・ようこ)
原隆幸(はら・たかゆき)
樋口謙一郎(ひぐち・けんいちろう)
福島知枝子(ふくしま・ちえこ)
古川敏明(ふるかわ・としあき)
山川智子(やまかわ・ともこ)

 まえがき(松原好次)
 本書で扱う国・地域


第1部 言語的マイノリティと貧困

第1章 土地と言語を奪われて――先住民族の場合(松原好次)

   コラム1 ハワイの接触言語ピジンと貧困をめぐる言説(古川敏明)

第2章 地域語話者は貧困脱出のために母語を捨てざるを得ないのか――スペイン・ガリシア語の場合(柿原武史)

   コラム2 手を結んだカタルーニャ語とベルベル語(石原忠佳)

第3章 カナダの先住民の教育と貧困(長谷川瑞穂)

  コラム3 エボニックス論争は教育・人種間格差を縮めるのに役立ったか(杉野俊子)

第4章 ニュージーランドにおける言語の地位と格差問題(岡戸浩子)


第2部 西欧語による豊かさの追求

第5章 西欧語はアフリカを貧困から救えるのか――国語を持たない国、ガーナの場合(山本忠行)

   コラム4 セネガルにおける母語識字という虚構(砂野幸稔)

第6章 言語の経済性――英語に生き残りを賭けるシンガポール(江田優子ペギー)

   コラム5 英語はブータンに幸せをもたらすか(八田洋子)

第7章 「両文三語」は香港にとって真の豊かさへの道か(原隆幸)

   コラム6 英語学習だけが「豊かさ」への道か?(山川智子)

第8章 韓国における貧困と英語力の関係――EBSの挑戦(カレイラ松崎順子)

   コラム7 海外帰国子女の言語問題(井上恵子)


第3部 移民の言語問題と貧困

第9章 「故郷に錦」が貧困に変わった時――在日ブラジル人の場合(杉野俊子)

   コラム8 苦難を抱える外国人妻たちとその子どもたち(近藤功)

第10章 米国ラティーノ/ヒスパニックの言語と社会的向上――ニューヨーク市の事例を中心に(田中富士美)

   コラム9 高齢者と外国人に分かりやすい日本語(河原俊昭)

第11章 欧州で拡大する社会格差――ベルギーの移民と言語(福島知枝子)

   コラム10 ドイツ語学習支援の現場から(山川智子)

第12章 「人間の安全保障」と言語政策(樋口謙一郎)


 あとがき(山本忠行)

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