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満洲国と内モンゴル
本体7,000円+税
ISBN 9784750335957
判型・ページ数 A5・464ページ
出版年月日 2012/05/20

満洲国と内モンゴル

満蒙政策から興安省統治へ

「五族協和」をスローガンに戦前の日本が中国東北部に作った傀儡国家・満洲国の実態については未解明の部分も多い。本書では、満洲国統治のなかで内モンゴル地域にあたる興安省でのモンゴル民族統治を明らかにする。知られざる満洲国の一端をしる最新の研究成果。

 はしがき

 図表一覧

序章
 はじめに
 第一節 二つの近代化の接点にある「未開」
  1 中国の近代化と内モンゴル
  2 日本の近代化と興安省統治
 第二節 満洲国のモンゴル統治をめぐる三つのアプローチ
  1 現代中国との接合点として
  2 近代日本外交の延長線上にかすむ興安省
  3 興安省研究の射程――満洲国史、モンゴル史研究の枠を越えて
 第三節 本書の内容
  1 各章の構成
  2 史料について

[第一部]東部内モンゴルと日本――満洲国建国への道

第一章 近代日本外交と東部内モンゴル
 第一節 第一次世界大戦前の列強間交渉と東部内モンゴル
  1 ロシアとの交渉
  2 六国借款団交渉と東部内モンゴルの留保問題
 第二節 大戦期の対中国交渉――対華二十一カ条要求
  1 東部内モンゴルの差別化
  2 範囲をめぐるかけひき
  3 「南満東蒙条約」締結のあと
 第三節 戦間期日本外交と東部内モンゴル
  1 新四国借款団交渉
  2 一九二〇年代の満蒙政策と東部内モンゴル

第二章 日本陸軍のモンゴル認識と東部内モンゴルの諸相
 第一節 一九一〇年代の対東部内モンゴル認識と経営構想
  1 『東蒙事情特別号』にみえる東部内モンゴル理解
  2 『東部内蒙古調査報告経営意見』にみえる東部内モンゴル理解
 第二節 一九二〇年代末以降のモンゴル認識
  1 石原莞爾の東部内モンゴル認識
  2 一九三一年以降のモンゴル認識の変化
 第三節 満洲事変勃発前の東部内モンゴルの諸相
  1 行政区画の変動と東部内モンゴルの姿
  2 モンゴル人をつなぐ満鉄鄭家屯公所
  3 モンゴル人の間の確執と連携

第三章 東部内モンゴル政策の決定過程とその初期理念
 第一節 満洲事変期諸統治案の中の東部内モンゴル
  1 柳条湖事件後の関東軍のモンゴル認識
  2 「満蒙共和国統治大綱案」と「満蒙自由国設立案大綱」の立案経緯
  3 二つの案の特徴と立案の遠因
 第二節 モンゴル統治の具体案策定への道
  1 泰来会議の開催
  2 遼源会議の開催
  3 具体案の策定へ
 第三節 「満蒙建設ニ伴フ蒙古問題処理要綱」とモンゴル統治の初期理念
  1 「蒙古統治指導方請願書傳呈ノ件」とモンゴル統治の方針
  2 「満蒙建設ニ伴フ蒙古問題処理要綱」
  3 満洲国の建国とモンゴル統治の初期理念

第四章 国民政府と満洲事変期の東部内モンゴル
 第一節 国民政府の事変認識と慰問専員の派遣
  1 満洲事変の勃発と国民政府の対応
  2 慰問専員の派遣へ
  3 慰問専員派遣工作の位置づけ
 第二節 慰問専員に託された任務
  1 慰問専員の選定
  2 慰問専員の任務
 第三節 国民政府と関東軍の狭間で
  1 慰問専員からの報告
  2 慰問専員に対する現地の反応
  3 「苦悩」する東部内モンゴル

[第二部]満洲国の興安省政策

第五章 興安局の創設
 第一節 興安局創設の構想
  1 満洲事変期の構想
  2 満洲事変以前のモンゴル人の政治関心――ジリム盟の人たち
  3 蒙蔵機関への意見――北平・南京で活動するモンゴル人
 第二節 興安局の設置理念
  1 興安局設置の意義
  2 興安局と「民族協和」
  3 理念上の対抗型――興安局と蒙蔵委員会
 第三節 興安局の統治システム
  1 興安局の基本構造
  2 興安局の抱える構造上の矛盾
 第四節 興安局の機能と独自性
  1 清朝時代のモンゴル業務の行方
  2 満洲国による一元統治と興安局の機能
  3 興安局の性質からみる満洲国の興安省統治

第六章 「旗制」と満洲国の地方統治
 第一節 東部内モンゴルと県治地域――異なる建国過程
  1 東部内モンゴルでの担い手、手法、自治観念
  2 県治地域での担い手、手法、自治観念
  3 二つの建国工作の関係
 第二節 満洲国の地方統治
  1 満洲国による地方行政制度の見直し
  2 国民政府の旗・県組織法
 第三節 「旗制」の制度的特質
  1 「自治県制」との比較からみる「旗制」の特質
  2 行政制度からみる「旗制」の特質
  3 旗行政システムの変容と満洲国の地方統治

第七章 興安省の自治問題
 第一節 満洲事変前における自治の要求
  1 蒙古会議における自治関連の提案
  2 求められる自治の特性
  3 モンゴル人の自治要求に対する日本側の認識
 第二節 満洲事変期における自治要求と建国
  1 「蒙古自治領」案
  2 モンゴル人の求める自治――「泰来会議議決草案」より
  3 自治要求の変化
 第三節 興安省政策の確定と旗の自治
  1 興安省政策の確定
  2 建国後の自治問題――「旗制」が定める旗自治会
  3 興安省の自治の実態と「旗制」

第八章 興安省の疆域――初期構想の挫折とその転換
 第一節 興安省の疆域をめぐる議論
  1 「失地回復」への想い
  2 「満蒙建設ニ伴フ蒙古問題処理要綱」の策定と疆域問題
  3 疆域画定と満洲国の思惑
 第二節  満洲国成立後の興安省の疆域
  1 建国直前の東部内モンゴル
  2 建国直後の疆域問題
  3 興安省の疆域からみる興安省統治の特質
 第三節 興安省内各旗の疆域の変化――蒙政部の設置と興安省政策の転換
  1 混乱する疆域
  2 興安局の改編と興安省の拡大
  3 興安省の「特殊性」と政策の転換――「民族協和」との親和性

補論 菊竹實蔵と『経蒙談義』について
 第一節 菊竹實蔵の人物像と経歴
  1 満洲事変前までの菊竹
  2 満洲国建国期の菊竹とその後
 第二節 『経蒙談義』について
  1 『経蒙談義』の構成
  2 各節の内容

終章
 第一節 満洲国のモンゴル統治――まとめと課題
 第二節 民族政策としての興安省統治
 第三節 近代日本にとっての「満蒙問題」
 第四節 興安省統治からみえる満洲国の姿

 文献一覧
 あとがき
 索引

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