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多文化社会の偏見・差別
本体2,000円+税
ISBN 9784750335810
判型・ページ数 4-6・228ページ
出版年月日 2012/04/20

多文化社会の偏見・差別

形成のメカニズムと低減のための教育

偏見はどのように形成され、人を苦悩させるのか、そして偏見低減のためにどのような可能性と実践があるのか? 偏見形成のメカニズムに関する実証データや行動観察、当事者の語りを考慮し、社会心理学の理論とヒューマンライブラリーを中心とした教育実践を詳解する。

 はじめに


第1部 多文化社会における偏見形成

第1章 グローバル社会における多様性と偏見(加賀美常美代)
 はじめに
 1.データから見た日本社会の変化
 2.日本の地域社会における外国人との異文化接触と受容
 3.外国人留学生の異文化接触における被差別感
 4.外国人児童生徒たちの同化要請と排除
 5.集団間コンフリクト
 6.偏見はどのように形成されるか
 7.偏見が生じる原因
 8.偏見はどうすれば低減されるか:接触仮説から
 9.どのように偏見を低減・解消していくか:シェリフのサマーキャンプ実験から
 10.グローバル社会の多様性:対岸の火事にしないために
 おわりに

第2章 幼児の前偏見の生成と低減の可能性(佐藤千瀬)
 はじめに
 1.前偏見とは
 2.前偏見の生成と形成
 3.前偏見低減の可能性
 おわりに

第3章 差別の体験がどのように当事者を苦しめるか──ライフストーリー
 3-1 ユニークフェイス(手塚章太朗)
  はじめに「ユニークフェイス」とは?
  当事者の立場から──「差別」の体験
  おわりに
 3-2 異文化体験と障がいをもつ家族との関係(坂田麗子)
  1.はじめに──私はいつもマイノリティだった
  2.帰国子女であること
  3.障がい者の姉がいること
  4.今回お話ししたいこと
  5.いつ頃から障がい者の姉妹であることを意識するようになったか──アルゼンチン~マレーシア時代
  6.帰国子女であることの壁──高校時代
  7.高校生活でのある変容──高校1年の夏休み
  8.高校時代に家庭で抱えていたこと
  9.帰国子女であるコンプレックス──大学時代
  10.アルゼンチン留学(異文化社会に適応するまで)
  11.カウンセリングから始まる自我への目覚め
  12.帰国子女に固執する大学院時代
  13.過去のステレオタイプからの脱却(アメリカへ)
  14.家族との関係性の変化
  15.今、私が思うこと


第2部 偏見低減の理論と方法

第4章 偏見低減のための理論と可能性(浅井暢子)
 はじめに
 1.偏見の形成
 2.偏見の低減
 おわりに

第5章 大学における偏見低減のための教育実習とその効果(加賀美常美代・守谷智美・村越彩・岡村佳代・黄美蘭・冨田裕香)
 はじめに
 1.偏見と差別の教育実習授業の目的と概要
 2.カテゴリー化・ステレオタイプ・偏見に関する実習授業(1回目)を通した受講生の学び
 3.差別と差別解消に関する実習授業(2回目)を通した受講生の学び
 4.2回の実習授業を通した受講生の学びの変容
 5.偏見・差別の教育実習を通した実習生の振り返り
 おわりに――まとめ

第6章 ヒューマンライブラリーとは何か──その背景と開催への誘い(横田雅弘)
 はじめに
 1.具体的な体験を通して学ぶ教育実践
 2.3つの教育実践
 3.ヒューマンライブラリーの歴史
 4.ヒューマンライブラリーの組織と開催場所
 5.ヒューマンライブラリーを開催してみる──開催の手引き
 おわりに


第7章 大学におけるヒューマンライブラリーの実践――駒澤大学坪井ゼミの取り組みから(坪井健)
 はじめに
 1.なぜヒューマンライブラリーに取り組んだか
 2.「本」探しとチームづくりのプロセス──苦闘と成長の3ヶ月
 3.ヒューマンライブラリー実施のプロセス
 4.ヒューマンライブラリーの効果
 おわりに──ヒューマンライブラリーのすすめ

第8章 偏見低減に向けた地域の取り組み──オーストラリアのヒューマンライブラリーに学ぶ(工藤和宏)
 はじめに
 1.オーストラリアにおけるヒューマンライブラリーの広がり
 2.リズモー・ヒューマンライブラリーの今
 3.オーバン・ヒューマンライブラリー
 おわりに

 おわりに

 編者・執筆者紹介

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