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クリストファー・J.ホッブス

名前 クリストファー・J.ホッブス
カナ ホッブス,クリストファー・J.
 

プロフィール

クリストファー・J. ホッブス(Christopher J. Hobbs)
ジェーン・M. ウィニー(Jane M. Wynne)

 クリストファー・ホッブス医師とジェーン・ウィニー医師は、長年英国北部の都市リーズで小児科医として、ともに働いてきました。2人はともに子ども虐待・ネグレクトの問題に強い関心を抱き、英国で最も早期からこの問題に取り組んできた医師です。2人は1980年代早期には小規模ながら多機関連携チーム(MDT)を組織し、すぐに子どものマルトリートメント全般について取り扱うに至りました。MDTのこの取り組みは、子ども虐待の可能性を緊急に評価してもらいたいと考える地域の医師や、専門医との関わりを要する家族に対し行うサービスとして、国民健康保険が適応されるサービスへと発展していきました。当初このサービスを利用する子どもたちは比較的少人数でしたが、この長年隠されてきた子ども虐待という問題への認知が高まり、医学的研究が進みトレーニングの機会が増すにつれ、紹介されてくる子どもたちの数は1980年代後半には急増することとなりました。
 1986年と1987年のランセットやその他の一流誌に、身体的所見を含む性虐待の医学的徴候について掲載されたことをきっかけに、性虐待の問題に対しての認識も進むこととなりました。これらの論文は、リーズにおける彼らの先駆的な研究が礎となっています。性虐待は隠された問題ではあるものの、決して稀ではないということを、彼らは早期から研究を通し訴えていました。またこの研究を通し、特に子どもの性虐待の記憶というものに関して、英国で大論争が起こるきっかけにもなりました。
 子ども虐待を同定し、家族に適切に介入・支援を行おうと考えている医師に対しての実践的な一助となるべく、彼らは2冊の出版物を出版しています。1冊は、『子ども虐待とネグレクト-臨床家ハンドブック-』であり、この本は彼らの長年の同僚である、臨床心理士であり精神科医師の、ヘルガ・ハンクス医師との共著となっています。もう1冊は、今皆様がご覧になっているこのアトラスであり、臨床医として遭遇する可能性のある子ども虐待の身体的所見につき、多くの写真を掲載しています。このアトラスは、医師のみならず多くの専門職を対象とした、公式の子ども虐待対応トレーニングプログラムの中で使用されております。
 研究や出版に加え1988年に彼らは、子ども虐待医学を小児科学の中に位置づけるべく活動を行っている英国の小児科医同士のつながりである、“The Child Protection Special Interest Group”を組織しました。
 ウィニー医師は、1999年に体調を崩され臨床を退き、2009年に死去しました。ホッブス医師も2011年に子ども虐待対応の第一線の現場を退きましたが、一般小児科医として臨床を続けるかたわら、英国のみならず世界中を飛び回り、小児科医へ子ども虐待対応のトレーニングを行っています。両医師ともに、多くの国々の多くの専門家に対して、トレーニングを行ってきました。


(『子ども虐待の身体所見』より)

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