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ミリアム・スタイナー

名前 ミリアム・スタイナー
カナ スタイナー,ミリアム
 

プロフィール

 カナダのケベック州に生まれる。幼少時からフランス語圏に育ち、多文化・多言語の生活環境を意識するようになる。1967年に英国北西部のマンチェスターに移住。
 長年にわたって学校教育や教員養成の現場に教員や指導者として携わり、教員在職中の1981年から「8歳から13歳までのワールド・スタディーズ研究(World Studies 8-13)」プロジェクトに参加。当時のナショナル・コーディネーターであったデイヴィッド・ヒックス博士とともに、1989年にはMaking Global Connections: A World Studies Workbook(岩崎裕保監訳『地球市民教育のすすめかた:ワールド・スタディーズ・ワークブック』明石書店、1997年)を編著。その後、1991年から1996年まで、ワールド・スタディーズ・プロジェクトの研究責任者を務める中で、教員や教育実習生とともにワールド・スタディーズやグローバル教育の研究や研修に取り組む。
 1991年には、当時の国際理解教育・資料情報センター(ERIC)が編訳したWorld Studies 8-13: A Teacher's Handbook(S・フィッシャー&D・ヒックス著『ワールド・スタディーズ:学びかた・教えかたハンドブック』めこん、1991年)の日本での普及推進のためERICの招きで来日。来日中、会議やセミナーをはじめ、訪問先の学校で、議論や協力を重視したインクルーシブな教室づくり、そして社会問題や地球環境を意識した授業づくりに熱心に取り組む日本の教員や教育関係者と出会う。
 ワールド・スタディーズ・プロジェクトの研究責任者時代には、Learning from Experience: World Studies in the Primary Curriculum(未邦訳)を1993年に執筆。「世界を意識した」人間の土台となる技能や態度を子どもたちがどれだけ身につけたのかを教員が評価していく方策のみならず、英国で導入された全国共通のナショナル・カリキュラムで規定された小学校の各教科の中に地球的視野を取り入れていくための考え方を提示。つづく1996年には、Developing the Global Teacher: Theory and Practice in Initial Teacher Education(本書)を編著。ワールド・スタディーズの理念や方法論を教員養成課程に導入していく際の理論と実践を紹介した。
 本書を出版した1996年以降、病気療養を理由に現役を引退。しかし、子どもたちというものは、世界のどこにいようとも、地球市民としての自信を持ち、互いに心を開いていく技能や態度を養い、相互依存の進むこの複雑な世界の今後の可能性を理解していくために必要な教育を、可能な限り享受するだけの価値のある存在であるとの信念と情熱は失われてはいない。


(『グローバル・ティーチャーの理論と実践』より)

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